過去ログ - 【デレマス】アイ・キャン・フライ【スカイライダー】
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41: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2016/02/01(月) 02:39:00.93 ID:HVX/IHS+0
なるほど、と幸子は納得した。
複雑な技術論でも、抽象的な精神論でもない確かな感覚。
ダイビングではなくグライダーとはいえ、経験者だけあって筑波洋の話には説得力があった。

ただ同時に、彼の言った通りだとするなら引っ掛かることがある。
それは自分のことではない。


―大地を真正面に捉えて降りる時、必ず一瞬だけ見せる険しい表情。
 空を飛ぶことを素晴らしいと思うなら、なぜあんな顔をするだろうか―


「なんで洋さんは…」

言い淀む。
ここで洋に問うことは本当に正解なのか。
ただの自分の好奇心が、彼を空から引き摺り降ろす結果になるのではないか。
そして聞いて自分はどうしたいのか。お節介?自己満足?それとも、何?

「…なんでもないです。お話、ありがとうございました」

結局、幸子は自ら引き下がった。
仕事さえこなしてくれるなら、洋がどうだろうと気にしないと割り切る。
それに、自分がスカイダイビングを成功させるために聞いたことなのだ。
他人のことを気にしている時間があるなら、今の話をどう活かすか考えようと、幸子は思考の矛先を変えた。




…その日、幸子ははじめて最後まで安定姿勢を保ち、実地訓練を終えることができた。


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