過去ログ - 【デレマス】アイ・キャン・フライ【スカイライダー】
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◆oZuontUvSM
[sage saga]
2016/01/09(土) 23:44:40.02 ID:nHiGae130
空撮-「エアカメラマンによる空中撮影」という分野に筑波洋が足を踏み入れたのは、ずいぶん前だ。
元々ハンググライダーを大得意とする男だけに、敷居はないも同然だったのだろう。
谷が知る範囲でも、洋が一度日本に戻って来た頃には既に空撮をはじめていた覚えがある。
最初こそ手ブレがあったりしたが、旅先から送られる写真から確実に腕前が上がっているのは見てとれた。
だが、名が売れてきたにも関わらず空撮の依頼が一向に増えない。
そこで、ある事情で撮影業のセールスに時間を割けない洋の頼みから、谷が動いたのだ。
…結果は芳しくなかった。
撮影において両手を自由にできない。方向転換に時間がかかる。フレームにグライダーそのものや影が映り込む。
実情を探るほどグライダーでの空撮の難点ばかりが浮かび上がる。
もちろん難点だけでなく、並行移動や長時間撮影がしやすく、撮影時の安定性も高いという利点はあるのだ。
だが、現在の空撮ではそのような利点は訴求効果が薄過ぎた。
これでは洋がいくら素晴らしい写真を撮れるようになっても、需要の増えようがない。
「スカイダイビング…か」
ぽつりと呟く洋の顔は真剣だ。
ハンググライダーとスカイダイビング。同じスカイスポーツであっても、そこに接点はほとんどない。
だからこそ、両方に手を出す人間は多くない。
それでも、今回の結果を聞いた洋はダイビングにも手を出すのではないか、と谷は踏んでいた。
彼にはアドバンテージが2つもあるのだ。
空への恐怖心が全くないというプロ・グライダーとしての下地と、
谷を含むわずかな人間しか知らない、洋のもう1つの姿の経験。
それを知るからこそ、聞かずにはいられなかった。
「怖いか?」
谷の声に茶化すような色はない。
それは、この後輩に深い縁があることと無関係ではない。
今日もグライダーでの飛行中に、2人ほどスカイダイバーを見た。
その内の1人、年端もゆかぬ少女が落ちていく様に、谷は言いようのない既視感を覚えていた。
パラシュートが開くまでの間、全く動けずに真っすぐ落ちていく。
話に聞いただけの自分すらそう思うのだから、もし洋が見ていたのなら既視感はフラッシュバックに変わっていただろう。
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