5:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/11(月) 01:07:13.68 ID:AHiYG1PX0
それでも、どれだけ私が願っても、日々はほんのちょっとずつ移り変わっていってしまいます。
周りを見渡せば大声で笑う男の人達や、手を繋いで歩くカップル。
堂々と道の端に座り込んで携帯を弄っている青年や、喫煙所からわざわざ少し離れた場所でタバコを吸っているおじさん。
私以外の誰もが私の知らない何かを知っているような、そんな気がしてしまう。
「なぁ、輝子ちゃんって覚えてるか、昔事務所一緒だった子」
「は、はい……覚えてますけど……?」
「結婚するんだってさ」
「け、けっこん、ですか?」
「ああ、俺の後輩と……昔、彼女を担当していたプロデューサーとな」
机の下に身を縮めて隠れていた時、隣から聞こえてきたあの独特な歌をまだ私は覚えています。
その時の彼女の担当のプロデューサーさんが困ったようにこっちに謝っていたことも、覚えている。
私は彼女の歌が好きでした。自分の感情に素直に生きている彼女のことが、羨ましかった。
気付けば両手を胸に当てて、拳を弱く握りこんでいました。
19歳と20歳。彼女と私は1年しか変わらない。
それなのに、こんなにも違う。
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