過去ログ - 乃々「幸福のしっぽ」
1- 20
9:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/11(月) 01:32:46.22 ID:AHiYG1PX0




駅のホームには通勤ラッシュには少し遅い時間帯だと言うのに、沢山の人が並んでいます。
口から出た溜息は空中で白い雫へと変わっていきました。

布団から出たくなんてなかった。
繰り返されるアラームを止めて、感情まで支配されてしまいそうな微睡みの中たった1秒でも長く眠っていたかった。
冷え切った血を無理やり暖めて外に出れば、それに反抗するように体は軋んだ音を響かせました。

鳴り響くベルと雑踏の中、アナウンスが流れます。
延着の連絡に小さな喧騒が生まれすぐに鎮まっていく。
人の命が電車の遅延と騒めきだけを残して、私は氷の中にいる心持ちになる。

15分も経てばまるで何事もなかったように電車はやってきて、たくさんの人がそれに乗り込みます。
私も遅れないように続いて、扉のそばの手すりに少しもたれかかります。

私の扉の反対側には小さな女の子がいました。小さな、なんて言っても私とそこまで背丈は特に変わりませんけど……。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
30Res/22.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice