過去ログ - 黒髪少女「武器の手入れをお願いします」単眼少女「……」
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10: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2016/01/11(月) 02:00:38.51 ID:X2ffE8rP0
「彼らが私の訓練を志願したのですから、しごきを入れるのは当然です。しかし、確かに少し必至過ぎましたね。彼らが」

「君から一本取れればデートしてもいいという餌まで吊り下げておいてよく言う」


相手に本気を出させるにはこの方がいい

と、テリアの案だが、逆に勢いが空回りしてこの結果だ。これでは訓練にもならないだろう

分かり切っていた結末だが、テリアは楽しそうに槍を振りかざす

丁度、自分の目の前にそこらで寝そべって動かない兵士たちの百人分は働くであろう老人が目の前にいるのだ。ここで張り切らないでどこで力を出すのか


「そう言うと思って出てきたのだよ」


エルクは魔法使い特有のローブを脱ぎ捨てると、その年齢に似合わない肉体美を曝け出した


「いつ見ても惚れ惚れしますね。60代後半とは思えない身体で」

「一線を退いてから碌に実戦はしていないのだ。これでも随分と萎んでしまったわ」


元王国軍隊長、そして魔導勇士と謳われた生きる伝説の男

倒れた兵士から槍を拝借すると、テリアに向かい構え、そして時を待つ


「では、こちらが勝てばデートという事で……いいな?」

「色ボケ爺がよく言いますね」


ふざけたその会話は風の音と共に消えていく

暖かな風が草木を揺らす時、二人は一瞬にして間合いを詰めた

激しい金属音が鳴り響き、倒れていた兵士たちはハッと気が付くように二人の戦いに目をやった

目にもとまらぬ速さで剣戟が繰り出される

どちらの刃か見当もつかない斬撃が二人の周囲を切り刻んでゆく




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