過去ログ - 黒髪少女「武器の手入れをお願いします」単眼少女「……」
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◆cZ/h8axXSU
[saga]
2016/01/11(月) 02:01:14.09 ID:X2ffE8rP0
「時にエルク」
「どうした?」
黒槍の柄を思い切り振り上げ、相手の顎へと一撃を入れる
しかし、テリアのその奇策は空振りに終わり、避けた動作から一回転を入れたエルクの薙ぎ払いが繰り出された
「城下町の路地裏の鍛冶師の噂、知っていますか?」
「ああ、よく知っているとも。私の武器も今丁度"彼女に"預けてあるからな」
まるで滑るかのようにエルクの槍が往なされると、今度はテリアが懐に飛び込み肘打ちを繰り出す
負けじとその痛みに耐え、即座に屈み自らの膝でテリアの足を挟むと、思い切り空に向かって蹴り上げた
無防備に宙を舞い回転させられるも、間髪入れずに槍が突き立てられる
しかし、その無茶な体勢から大きく黒槍を振り、エルクの槍をはじき返した
無事に着地を成功させ、即座に突っ込んでいく
「どうでしたか?」
「どうと言われてもな……不憫ではあったよ」
突進に備え、次の一撃を迎え撃つエルク
再び薙ぎ払われた槍はこのまま振り切れば直撃だろう
しかし彼考えとは裏腹に、目の前で大きく振りかざした槍を地面に突き立て、その反動で再び空へと飛び立つ
エルクの攻撃は空振りには終わらず、その場に残された黒槍に阻まれる
その衝撃により、目では追えても身体か着いてくることを許さず、止む無く槍を投げ捨てた
しかし、時すでに遅し
テリアは背後を振り返ったエルクの頬に軽く指を当て、生意気そうな笑顔で言い放った
「私とデートなんて百年早いですよ」
「やれやれだ。百年経てば、少しは私もいい男になれるだろうさ」
素直に負けを認めると、再びローブを着こみ話を続ける
「で、何だったか?」
戦闘中にも関わらず世間話をしていた二人に、辺りに居た兵士たちは呆気に取られていた
自分たちの未熟さをと二人の規格外の力を知ったのか、一人、また一人とその場から立ち去っていく
通常の訓練に戻る者、勤務に戻る者。理由は様々ながら、今二人のいる場には誰もいなくなった
それを確認すると、テリアは再び話を切り出した
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