過去ログ - 黒髪少女「武器の手入れをお願いします」単眼少女「……」
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13: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2016/01/11(月) 02:02:10.41 ID:X2ffE8rP0
「君から話を切り出すくらいだ。彼女の待遇を知っていての事だろう」


テリアが頷くと、再びエルクは口を動かす

働きだした武器屋が繁盛し始めると、店主と彼女の間に亀裂が入り始める

誰も武器を買わずに彼女にだけ依頼が来るようになるのだ

これを面白くないと感じた店主の態度は日に日に悪くなっていったという

しかし、ここで単眼の彼女を切り離してしまえば、今度は自分が困ることになる

そう思った店主は、彼女を脅すようになったとの事だ


「なんて言われたのか分かりますか?」

「口伝えにきいた話だから正確ではないが……」


"お前みたいな嫁の貰い手も無いような化け物、自分の所以外じゃ雇ってもらえない。いくら腕が良くてもな"

ずっと彼女自身が気にしていた事を連ねて言葉にした最悪の一言

この言葉が心に突き刺さってしまったのだろう。それを真に受けてしまい、彼女は極力人との接触を断ちあの店で働き続ける羽目になってしまった

商売について右も左も分からない彼女が独立する事も難しいだろう。それを分かっているからこそ束縛しているのだ

その事実に明確に怒りを覚えたテリアは、静かに自らを抑え込む


「とはいえ、何度も言うが口伝えだ。決して正しい事とは……ま、言えんくもないか。それに、彼女が勤め始めてからあの店のよくない噂も立つくらいだ」


彼女が働き始めてから人気が出ると同時に、どうもあの武器屋は黒い噂が絶えなくなったという


「ま、調べてはいるが、同業者の妬みやそこら辺だろうな」


火の無い場所に煙は立たない

確証こそないが、彼女に対する仕打ち自体は多人数が見ている

あながち間違いという訳でもないだろう

しかし、綺麗に流されてしまった気にかかるワードがあったが、テリアはそこに注目した


「っと、サラッと初めの方に凄い事を言っていましたが。詐欺師……でしたか?」


気になるのも当然だろう

そんな犯罪に彼女が巻き込まれているのを知っているのなら、この国を護っている立場のエルクが動かないのはおかしい話だ




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