過去ログ - 黒髪少女「武器の手入れをお願いします」単眼少女「……」
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◆cZ/h8axXSU
[saga]
2016/01/11(月) 02:15:24.94 ID:X2ffE8rP0
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―――
―
どれ程の時間が経っただろうか
水と食料は余分に持ってきた
3日ほどなら持つハズだ
しかし、もう手元には何も残っていない。3日経ったという事なのだろう
自分はここで死ぬのだろうか。身動きの出来ないこの暗い場所でただ死を待つばかりの時間がとても惜しい
家に残してきた彼の事、自分の為に機密事項をこっそり教えてくれたあの優しい老人の事
忌々しくも思う店主の顔も懐かしい
そして……面と向かって自分の腕を始めて褒めてくれたあの少女が、確執を超えて愛おしくも思える
そんな事を考えながら、単眼の彼女は立ち上がる
「……まだ死ねない」
残してきた物の大きさに、彼女は負けられないでいた
ここは火口付近の洞窟
彼女は足を滑らせ深くまで落ちてしまった
怪我の様子からしばらくは動かずにいたが、それももう限界だ
この蒸すような熱気は身体によくない
いくら頑丈な魔物と言えど、限度がある
失われた水分を少しずつ手持ちの僅かな水で補給しつつ、歩き出した
サイクロプスの眼は夜目も利く
真っ暗な道でも多少ならば融通が利く
しかし、歩けど歩けど広がる闇。心身共に疲労が嵩み、彼女自身が壊れてしまいそうになる
諦められない心、しかし身体が着いてこない
仮に、この先に進み続けたとしてもどうなる
出口のない迷宮を彷徨い続けるのか、それともまた穴に落ちるのか
最悪、ドラゴンの巣に顔を出してしまうのだろうか
いや、それならそれが一番いいだろう。最期にヒトの顔を見られるのだから
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