過去ログ - 【安価コンマ】理不尽難度のダンジョンアタック その3【オリジナル】
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◆x8NsquFWLI
[saga]
2016/01/11(月) 23:18:39.98 ID:e4hNt5z8o
そこに、絶望があった。
部屋の中には、否、部屋の先には何もない。
全周を、絡み合う木々が塞いでいる。
行き止まり。
それがこの強行突破の結末。
『あ…………え?』
現実を信じられない、という声が聞こえる。
それは少年の物だったようにも、少女の物だったようにも、あるいは自分自身の物であったようにも、あなたには思えた。
部屋の中にも、部屋の先にも、何もない。
あるのは、そう、樹上だけ。
明確な憎悪を黄色い瞳に灯し、あなた達を睨む七匹の猿が、そこに居る。
だが、脅威はそれだけではない。
最早少女程の耳を持たないあなたにも十分に分かる。
あなた達は完全に囲まれつつある。
何匹居るかと耳を澄ます事は既に無駄だ。
まるで嵐の中に居るようだ。
樹上を駆ける足音は集い合わさり轟音と化し、聞き分けるなどいかなる生命でも不可能事。
あなたが命を落とすのに、一手のミスすら必要ない。
生命の灯火は、あと十数秒で消えるだろう。
果たして、希望は残されているのか。
……そのような奇跡の目は薄い。
あなた達三人の誰もが、そう理解させられた。
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