過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」2
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◆JzBFpWM762
[saga]
2016/01/17(日) 14:53:49.46 ID:CE5MZioLO
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難題というのは意外なところから解決の糸口が見つかることがある。
けれど、その糸口を発想や直感で得ようとするならば。
そこに天賦や天稟といったものが要求されることもめずらしくない。
直感の中には情報に基づく閃きという考え方がある。その場合、後天的に蓄積されたものが重要になってくることもあるのだろうが、それは知識や理性に重きを置き、どちらかといえば直感そのものよりそれらに寄り添った見方のように咲には感じられる。
私には、知恵が欠けている。咲はずっとそう考えて咲なりにその知恵を補おうとしてきた。
そのための最たるものは……読書だろう。咲は読書そのものが好きだが、半面必要に迫られて読んできたという事実もあった。
本は……咲にたくさんの世界を、そしてたくさんの見方を教えてくれた。
他人(ひと)の心なんてどうせわからない。そう匙を投げかけていた幼い咲の、押し潰されてしまいそうになる嘆きを和らげてくれた。
かけがえのないもの。本は、咲の恩人のようなものだ。
――なぜ、いきなりそんなしかつめらしいことに思いを馳せているか。
答えは簡単、そうしないとやってられないからである。てられな。てられなですわ。TVショーで見た芸人のギャグが咲の脳裏で延々とリピートされる。
「ぐ、ぬぬぬぬ……」
乙女らしからぬ唸り声が狭い室内に漏れる。ネリーのものだ。
先ほどまでいたファッションビルのテナントのうち、サービス業や飲食業といった店とは異なる企業に貸し出されたテナントの一室。
普通の学校の教室の半分ほどの広さだが、幾つもの柱を作っている積み上げられたダンボールのせいで随分手狭に感じられる部屋。
ネリーと咲は、そこで、なぜか部品を組み立てる作業をしていた。ずんぐりとした分厚い着ぐるみを着用して。
その部品の組み立てはよりによって精密さが求められるもの。ぶっちゃけ、着ぐるみを着た上でやるなどというのは正気の沙汰ではなかった。
あまりの難解さに、ネリー……現在はた目にはアヒルを模したようなマスコットキャラクターに扮した中の人は、その可愛らしい着ぐるみのつくりに反して荒んだ顔つきが容易に目に浮かぶ威圧感を放出していた。
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