過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」2
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20: ◆JzBFpWM762[saga]
2016/01/17(日) 14:56:37.24 ID:CE5MZioLO
「……ふふん、図星でしょ。ミヤガワこそムリはダメだよ」

優しげに得意げに言われて、ずんぐりした着ぐるみの中で咲はうつむく。複雑な心境だった。内面を見通されて、嫌な気持ちもある半面、わかってもらえて嬉しさも込みあげる。

こんな経験、めったになかった。

隠したい心の裡を誰かに知られるのは……咲にとって恐怖だった。ずっと、ずっとそう思って、そう感じて、小学校でも中学校でも過ごしてきた。知られないためになら。自分でも弁護できない事も、ひどい事を、たくさん、たくさんしてきた。

もう嫌だ。

そう叫びたくなった事もある。泣きわめいて、泣きついて、助けてほしい、赦してほしい、そんな欲求を秘めて生きてきた。

なのに。

「……うん。少し、疲れたかな。この作業大変だね」

咲は、正直に弱音をこぼしてしまう。

ほんとうは、作業のせいだけじゃない。女子トイレであわや襲われるかと思った恐怖の体験から、一連の出来事が尾を引いている。

とくに……拘束から解かれた直後の、あの奇矯な振舞い……あれが一番、堪えている。疲労の度合いで言えば。

「あり得ないよこの作業! ……そもそも、ミヤガワは付き合う必要なんてないんだから、やめていいんだよ?」

着ぐるみを着ながらの内職じみた部品組み立て。ネリーと咲がやっているのはそういう作業。

ネリーがやると言うから咲は付き合っている形だ。でも、ネリーだって好きこのんで作業を引き受けたわけじゃない。


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