過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」2
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◆JzBFpWM762
[saga]
2016/01/18(月) 18:05:45.19 ID:Cykup/hbo
「……うん。少し、疲れたかな。この作業大変だね」
咲は、正直に弱音をこぼしてしまう。
ほんとうは、作業のせいだけじゃない。女子トイレであわや襲われるかと思った恐怖の体験から、一連の出来事が尾を引いている。
とくに……拘束から解かれた直後の、あの奇矯な振舞い……あれが一番堪えている、疲労の度合いで言えば。
「あり得ないよこの作業! ……そもそも、ミヤガワは付き合う必要なんてないんだから、やめていいんだよ?」
着ぐるみを着ながらの内職じみた部品組み立て。ネリーと咲がやっているのはそういう作業。
ネリーがやると言うから咲は付き合っている形だ。でも、ネリーだって好きこのんで作業を引き受けたわけじゃない。
「一人で待ってても退屈だし……案外、やってたら慣れるかも」
本音だ。この苛まれるような作業にネリーが嫌々取りかかるのを傍観しているのはたとえ目の前にいなくたって嫌だ。したくない。
「帰るなら送ってくよ? ……それくらい、いいよね?」
アフロ男に顔を向けたネリーが脅すような口調に変えて言う。
「えっ、それは困……」
「は?」
る、と言いかけたのだろうアフロがぎろっと睨まれて押し黙る。怯えたように口に掌を当てている。
「帰れないって言うの?」
「ちょ、ちょっとコワイ……今どきの女の子コワイ……」
「帰れるの? 帰れないの?」
「か、勘弁してくださいよ」
年齢は親子ほど違いそうな二人の力関係が年功序列の理屈と相反している。
助けを求めるかのように、アフロからすがる目で見つめられる。
別に帰りたい意思があるわけではない。だから、心の奥底に潜む咲は彼を助けてあげたいと思う。
だがその意思はなくとも咲はネリーの味方だ。それは、ダブルスタンダードを厭いながらも切り離せない、咲の内面をよく表す捉え方だった。
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