過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」2
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◆JzBFpWM762
[saga]
2016/01/18(月) 18:07:10.47 ID:Cykup/hbo
「あ……」
その反応……主にネリーのそれを見て、咲は我に返る。独り相撲だと気づく。
「……宮川さん。疲れてる?」
アフロ男が一転して心配するような事を言い出す。
「ほら! ミヤガワがおかしくなっちゃったじゃない! どうしてくれるの!」
一方ネリーは怒り出す。
――お、おかしくなったって……。
密やかに傷ついた咲だが顔や態度には出さない。
「い、いや、……大丈夫ですか宮川さん?」
ほとんど口答えせず丁寧に気遣うようなアフロ男。軽薄な態度ばかり見てきた彼にしてはめずらしい。咲はそう感じた。
結局、その日は二人揃ってそのまま帰っていいことになった。咲としては複雑な気持ちだ。
他の場所に行っていた付き添いの青年たちとはネリーの連絡で合流し、途中まで送ってもらった。
そして。
二人で歩く帰りの夜道、
「あ、そういえば」
咲が切り出す。
「ん?」
「今日は香水つけてないんだね」
ネリーが、硬直したように一瞬表情を固くする。
「ああ……今日はつけてないよ」
「へー」
「あんまり興味なさそう?」
相づちで関心の度合いを見抜かれたようだ。咲は苦笑する。
「うん。普段の匂いのほうが好きだから」
「……は?」
また、ネリーが固まった。今度は足も止めて硬直する。
「……あっ」
変な事を言ってしまったと気づく。これではまるで匂いに特別な嗜好でもあるかのようだ。
「……ふふ、面白い顔」
ネリーにからかわれる。よくある事。なのに。
「うう……忘れて」
すごく、恥ずかしかった。
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