過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」2
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38: ◆JzBFpWM762[saga]
2016/01/18(月) 18:07:10.47 ID:Cykup/hbo
「あ……」

その反応……主にネリーのそれを見て、咲は我に返る。独り相撲だと気づく。

「……宮川さん。疲れてる?」

アフロ男が一転して心配するような事を言い出す。

「ほら! ミヤガワがおかしくなっちゃったじゃない! どうしてくれるの!」

一方ネリーは怒り出す。

――お、おかしくなったって……。

密やかに傷ついた咲だが顔や態度には出さない。

「い、いや、……大丈夫ですか宮川さん?」

ほとんど口答えせず丁寧に気遣うようなアフロ男。軽薄な態度ばかり見てきた彼にしてはめずらしい。咲はそう感じた。

結局、その日は二人揃ってそのまま帰っていいことになった。咲としては複雑な気持ちだ。

他の場所に行っていた付き添いの青年たちとはネリーの連絡で合流し、途中まで送ってもらった。

そして。

二人で歩く帰りの夜道、

「あ、そういえば」

咲が切り出す。

「ん?」

「今日は香水つけてないんだね」

ネリーが、硬直したように一瞬表情を固くする。

「ああ……今日はつけてないよ」

「へー」

「あんまり興味なさそう?」

相づちで関心の度合いを見抜かれたようだ。咲は苦笑する。

「うん。普段の匂いのほうが好きだから」

「……は?」

また、ネリーが固まった。今度は足も止めて硬直する。

「……あっ」

変な事を言ってしまったと気づく。これではまるで匂いに特別な嗜好でもあるかのようだ。

「……ふふ、面白い顔」

ネリーにからかわれる。よくある事。なのに。

「うう……忘れて」

すごく、恥ずかしかった。


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