過去ログ - あやめ「次こそ行けますよユッコ殿!」裕子「ムムムムーン!」
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12: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:44:38.51 ID:GWSNM9Xa0

壮絶なる10月10日から一日が過ぎ、フジキド・ケンジは消耗した身体を少しずつ癒やし始めていた。マスター
ヴォーパルが設定した果たし合いの日まではあまりにも短い。だがあのままイクサを続けるよりはマシであった。
スパルタカスは倒さねばならぬ敵。逃げることなど出来ないのだから。2



13: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:45:51.26 ID:GWSNM9Xa0

「スゥーッ……ハァーッ……スゥーッ……ハァーッ……」深くチャドー呼吸をする中で、フジキドは思い返す。
10月10日の中で倒してきたニンジャ達の姿を。さらに協力者達の姿。そして、大切な妻子の姿。己が何者で
あるか見つめ直し憎悪を鍛え直さねば、この身体を動かすことなど出来はしない。3



14: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:46:36.27 ID:GWSNM9Xa0

「スゥーッ……ハァーッ……スゥーッ……ハァーッ……」霧のように纏わり付く降り方の重金属酸性雨も、
瞑想する身体の熱によりすぐに蒸発してしまうのか、フジキドの周辺だけはまるでそこに優しい屋根が
あるかのように濡れておらず、風も今日は傷ついた身体を癒すように優しく吹いてくれている。4



15: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:47:54.23 ID:GWSNM9Xa0

「スゥーッ……ハァーッ……スゥーッ……ハァーッ……」ただひたすらにチャドー呼吸を行うフジキドの姿は
まるで修行僧のようであり、何者も彼の邪魔は出来ないように思われた。だが一瞬、風の気配が変わった。
違和感を覚えたニンジャスレイヤーは目を見開く。「……これは」5



16: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:48:45.17 ID:GWSNM9Xa0

感覚としてはコトダマ空間のそれであろうか。一瞬だけ吹いた奇妙な風はもはや感じられず、いつの間にか重金属
酸性雨も止んでいる。ニンジャスレイヤーは警戒し辺りを見回すが、スゴイタカイビルの屋上はいつもの姿、眼下の
街並みも何一つ風景は変わっていない。6



17: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:49:40.35 ID:GWSNM9Xa0

気のせいであったのだろうか。いやそうではないはずだ。ニンジャスレイヤーはさらに遠くの景色を注意深く
観察した後に空を見上げ、そして目を疑った。「何だと」7



18: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:50:36.92 ID:GWSNM9Xa0

「「アイエエエエエエ!」」降ってきている、雨ではなく人が。数は3人。なぜ空から降ってきているのか、なにが
あったのか。疑問はあるが、助けねばなるまい。ニンジャスレイヤーは激戦の疲労が残る身体に鞭打ち救出に動き
出そうとして、さらに驚くべき光景を目にする。8



19: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:52:20.77 ID:GWSNM9Xa0

「……あれは!」落下中の人数が突如として5人に増え、増えた少女が悲鳴を上げる少女達を空中で庇うように抱き
抱えたのだ。増えた少女の姿はみな同じ。クローンヤクザの類かとも思われたが、今の増え方、そして一瞬で
変化したあの服装。(まさか……)9



20: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:53:17.40 ID:GWSNM9Xa0

そうしている間にも降ってくる少女達は徐々にマルノウチ・スゴイタカイビルの屋上へと近づいてくる。距離はあと
タタミ30枚! 20枚! ナムサン! このままでは少女達は全員落下衝撃で床に叩きつけられたトマトめいた悲惨な
状態になってしまうぞ!「くっ……!」10



21: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/01/13(水) 10:54:10.73 ID:GWSNM9Xa0

ニンジャスレイヤーは疑問を押し流すとその場から飛び上がり、まず茶色い髪を後ろで纏めている少女の元へと向かう!
「イヤーッ!」「……ニンッ!」茶髪の少女を抱き抱えていたニンジャ装束の少女は行動を理解したのか、悲鳴を上げ
続けている茶髪の少女をニンジャスレイヤーに放り投げる!11



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