9:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 22:57:09.73 ID:77C0hL4k0
 P「あぁ、まゆ。もう一度聞かせてくれ。僕にしか聞こえない君の声を」 
  
 まゆ 
10:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 22:57:41.88 ID:77C0hL4k0
 P「あぁ、まゆ。いないのかい?今まではどこに行っても君は僕の隣にいたのに。なんで今はいてくれないんだい?」 
  
 ま 
11:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 22:58:08.16 ID:77C0hL4k0
 P「あぁ、まゆ。聞きたい、また君の声を」 
  
  
  
  
12:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 22:58:37.64 ID:77C0hL4k0
 朝起きてこっちに出てきてからもう四年は使ってるだろうユニットバスのトイレに向かう。冬が自分の本分を思い出したのか、今週は特に冷える。そのせいか用も近い気がする。 
 自分の排泄物の行き先などを見ても仕方がないので、どこか別のところに視線を移そうとキョロキョロすると、ここに越して来てからろくすっぽ掃除してない水垢や諸々で汚くなった鏡で止まった。 
 自分の顔を見たところで喜ぶほどナルシストでも無いし、そもそもそれほど自分の顔が見ていて愉快では無いことくらいは理解している。 
 しかし、まぁ繰り返しになるが排泄物よりはマシだろう。 
13:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 22:59:08.52 ID:77C0hL4k0
 鏡の中の顔はえらく不機嫌そうな顔をしていた。ついでに眼の下にはクマが出来ている。 
 理由はなんとなく察しがついた。 
 そんなところで用も済み、そさくさとまだ暖かい布団の中に戻った。男の一人暮らしは手など洗わないのである。 
 二度寝をしようかとも思ったが、寒さで完全に覚醒してしまったのか、そんな気分にはなれなかった。なので次にしたのは現代っ子らしく枕元の充電器が刺さりっぱなしのスマートフォンを弄ることだ。 
14:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 23:00:36.91 ID:77C0hL4k0
 今朝見た不愉快な夢を忘れてしまおうと、俺はスマートフォンを弄る。 
 「んっ。あんまりこれコメント伸びなかったな」 
 チェックするのは昨日書いたSSがまとめてあるサイトのコメント欄だ。 
 「コメント2つとかくらいならコメント欄で喧嘩始まったりとかしてくれたほうが良いのに」 
 そう言いながらひょいひょいチェックする。書いたのはアイマスのシンデレラで、地の文形式のまぁイチャコラものだ。シリアスな内容では無いからコメントの伸びもそれほど期待はしてなかったがこう低いと少々凹む。 
15:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 23:01:04.06 ID:77C0hL4k0
 次にTwitterを開き、タイトルを入れて検索してみる。いわゆるエゴサというやつだ。コメントはしないがまとめサイトのURLを感想を貼りながら、宣伝してくれる人は多い。ありがたいことだ。 
 「……担当Pからは結構褒められてるなぁ」 
 『やっぱりこの子は可愛いんだわぁ』 
 『いつの間にカメラ仕込んでうちの様子を隠し撮りしてたんだ!』 
 何分書かれる子が少ない子だから少し贔屓目に見られてるのもあるかもしれないが、こういうのを見ると素直に嬉しい。 
16:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 23:01:30.92 ID:77C0hL4k0
 もうお判りとは思うが、俺はSSのいわゆる書き手だ。別に専門的に文章を学んだわけでも無いし、これから学ぼうとは思わず、読んだ本と言えばラノベと東野圭吾と宮部みゆきぐらいの、どこにでもいる暇を持て余した大学生だ。 
 「次は誰の話を書こうか……」 
 久しぶりに担当の子の話でも、と考えたところではたと気づく。 
 「あぁそうか。まゆの声、聞こえなくなったんだっけか」 
 と。 
17:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 23:02:08.86 ID:77C0hL4k0
 聞こえないとは言ったものの物理的に聞こえなくなったわけでは無い。耳は健常だし、ゲームを開いてみればCV.牧野由依さんのまゆの声が脳に響いてくる。しかし、俺が聞きたいのはそのまゆの声ではない。俺の頭の中に聞こえてくるまゆの声だった。 
18:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/16(土) 23:02:34.75 ID:77C0hL4k0
 電波な話だが、SSを書くときに俺は大概その子の声が聞こえてくる。 
 その子の声とセリフがリアルに頭の中で再現されるのだ。まずはそこを書き出して、あとはそこに繋がるように前後を埋めていく、他の人がどうだか知らないが、俺はいつもそうやって書く。 
 しかし、今年に入ってから一番好きなアイドルの、担当であるまゆの声が聞こえないのだ。 
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