過去ログ - 【二次創作聖杯戦争】Pastime　Game　３２【募集鯖鱒】 -SS速報VIP

過去ログ - 【二次創作聖杯戦争】Pastime　Game　３２【募集鯖鱒】

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861: ◆v.By3fESrTsY[saga]
2016/02/04(木) 18:52:11.98 ID:lpEJFDfl0
８：カットイン

彼女は夜道を駆ける。
彼女は弱かった、彼女は脆かった。

常に何かに怯え、虚勢を張って生きてきた。

その身を通す矜持という名の骨が無ければ、彼女はへし折れていたのだろう。

そして今、過去を思い出させるような彼の言葉で、彼女はその体を立たせていた。
芯は今までと何も変わってはいない。それでも弱り、潰れそうになったその心を再び立ち上がらせた。

話は聞いていた、だから場所は分かる、今、今、自分が出なければ、自分が戦わなければ。

紅い魔力が見えた。キーパーがタッカーを飛ばすのが見えた。
戦場にまた、じりじりとした嫌な雰囲気が漂い始めた。だから、彼女は迷うことなく飛び込んだ。

彼女は薄靄の中にいる。
彼女は強かった、彼女は堅かった。

それでも自らの意志を持たず、ただ誰かに準じていた。

その身を貫いた槍に、何も気づくことなく死んでしまっていたのだろう。

そしてその槍の意味に、最期に見た友の姿に、彼女は心を震わせていた。
ほんの小さな変化かもしれない。それでも流れ、頼った自分を振り切った。

話は聞こえていた、だから状況は分かる、今、今、自分が出なければ、自分が戦わなければ。

紅い魔力が伝わった。薄闇が笑うのを感じた。
この薄闇がまただれかをせせり笑っている。だから、彼女は迷うことなく食い破るだろう。

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