6:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/17(日) 21:49:42.51 ID:Rbkkj5Cxo
『水本さんと千佳ちゃん』
平日の事務所は行き交う人々で落ち着きのない雰囲気だ。
だが、夕方以降になれば疲れ果てた年少組と大人しい大人組とで大分静かになるのだが、水本さんはこの騒然とした空気も好ましく思っていた。
ふと、水本さんが視線を移すと一人の幼い少女が珍しく気難しい顔をしているのが目に入った。
「どうかしましたか、千佳ちゃん?」
気難しい顔をしていた少女、千佳が顔を上げる。
「うんとね、あたしが魔法少女アニメの声を当てるんだって。魔法少女役で」
メインキャラクターの子供役に本当に子供が声を当てる例が少ないことから考えれば大きな仕事と言えた。だが、話を聞く限り仕事の重みに若干腰が引けているようだ。
水本さんは考えこむように瞼を閉じた。
そして、十秒、二十秒、三十秒立つ前にそっと瞼を開く。
「私にいい考えがあります」
恐らく駄目だろう。
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