8:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/17(日) 21:52:03.30 ID:Rbkkj5Cxo
『水本さんと本格派魔法少女ごっこ(2)』
桃色の閃光と漆黒の波動を重なり、弾け、ぶつかりあっている気がしないでもない。
激しい技の応酬を終えた後、魔女は苦しげに呻いて膝を突いた。
薄暗い闇の中魔女の全身からは懐中電と……光と額からケチャ……血液が止めどなく溢れ出ている。それはもう、彼女が”戻れない”ことを示していた。
「……負けちゃいました、ね」
魔女は膝を突きながらも、鋭い視線をプリティーハート・チカへと向けていた。
対するプリティーハート・チカは苦々しげに表情を歪めた。
「なんで」
「私が消えれば現存する微妙な呪いは消えるでしょう」
「……なんで!こんなになってまで!」
「それが魔女の在り方、当然でしょう?」
魔女はあまりにも綺麗に、笑ってみせた。それがプリティーハートチカには恐ろしくて堪らない。
「……さぁ、最後に私の命の全てを使って貴女に呪を刻みましょう。守るべきものもなき既に滅びた世界で一人きりで生きなさい」
姿が薄れ、存在が薄れ、それでも魔女は呪を刻む。
「……あっ」
魔女が命を燃やして消えた先に無骨な門があった。プリティーチカは真っ直ぐにそこに吸い込まれていく。門が繋ぐ先は全てが終わり、消え去った世界。果たしてプリティーハートチカは滅びを迎えた世界から無事に脱出出来るのか。
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