11: ◆agif0ROmyg[saga]
2016/01/19(火) 16:15:43.70 ID:yo3g9eY60
平静を装いつつ、俺達が事件とやらに無関係なことをアピールする。
「仕事と普段とではいろいろと違いますからね。
今は仕事の帰りで、ちょうど事務所に送り届けるところだったんです」
「なるほどねー。そういうことなら問題無いわ。通ってちょうだい。
夜になる前に、早めにおうちに帰してあげてね。最近この辺、物騒だから」
「はい、そのつもりですよ。……では」
静かに、落ち着いて対処したことで警官の目も問題なくすり抜けられた。
万が一、なにか怪しい、シャンプーや石鹸の匂いなんか嗅ぎつけられたときは、香水の試供品でも見せてごまかそうかと考えていたが。
幸い、それにも及ばなかった。
「おい、晴。もう大丈夫だぞ」
「……ふうーっ。いやー、緊張した。何だったんだろうな、あれ」
「さあなあ。晴に反応してたから、近くで誘拐事件か何かあったのかもな」
「そういうことか。でも怖かった……
プロデューサーが捕まっちまったら、オレどうしたらいいんだよって、な」
「……」
そうだ。
今の俺たちの関係は誰にも許されないもの。
もし事が露見したら、まず間違いなく俺は捕まり、晴の人生にも多大な悪影響を及ぼすことだろう。
しかし、だからといって今更晴と切れることなどできようはずもない。
せめて彼女が成人するまで、誰にもこの関係を知られない。
そして成人してからも、晴のことを守り続ける。
それこそ最大の責務だと、俺は誓いを新たにした。
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