過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」淡「京淡!」咲「京咲だし!」
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◆Y.lj54HWGU
[sage saga]
2016/03/03(木) 19:53:05.99 ID:q7+jDM0eo
9/10
「ほら、全部終わったぜ!」
「明日採点する」
「うぐっ」
京が桃の缶詰を開けて、私の口に入れてくれる。
冷たくて甘くて美味しい。
なんだかんだ言いつつ、一日中京に甘えてしまった。
だるいだるい言っていた京に会う前の私なら享受していたであろう幸せ。
まるであの時に見た夢みたい。
私は何もしないで、京がずっとお世話をしてくれる、夢のような日常。
そして、『私』が言っていた世界。
「京」
「なんだー?」
「ちょっとこっちに来て」
「あいよー」
缶詰を片付けていた京を呼び出す。
いつも反抗的なことなんてないけれど、今日は特に言いなりだ。
姉の威厳、というものと違って新鮮な気持ちになる。
「……はい」
「?」
「今から、寝るから」
「うん」
「……もう」
「シロ姉?」
「手……」
「あっ、なるほどね」
こちらが『熱で』顔が真っ赤になりながら言っているというのに、察しが悪い。
察しが悪いし、気づいた時にもなんとも思っていない。
すぐに私の右手を両手で包むようにしてくれた。
「おやすみ、シロ姉」
「おやすみ、京」
手が触れているだけで何かに包まれたように安心できた。
まどろみに包まれて意識が落ちていく。
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