109:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/06(土) 22:48:19.57 ID:CvUFAC73O
彼も悟ったのだろう。彼女が悲しみに耐えて気持ちを伝えた事を。
元より涙を流すのは彼の柄では無いが、その姿は涙を流さない様に耐えている様に見えた。
新一「......いつか俺は、歩美の前に立った時に。胸を張って会えるだろうか」
哀「それは、今後次第よ。彼女との約束をしっかりと果たす事が出来れば、自ずと答えは出ると思うわ」
哀「勿論、2人で一緒に。彼女に報告出来る様に頑張りましょう」
哀「私達は、幸せだよ。って」
新一「......哀も、強くなったな」
哀「え?」
新一「歩美の家に向かう前とは、まるで別人だぜ。壁を乗り越えたって感じだよ」
哀「そう、かしら......」
新一「ああ。哀は逃げなかった。次は、俺の番だな......」
自分が強くなったとは思わない。しかし、私の姿に彼は何かを感じ、決意を固めていた。
哀「......とりあえず、帰りましょうか」
新一「ああ、そうだな」
哀(ありがとう、歩美ちゃん......)
もう一度彼女に会う事は、本当に出来るだろうか。
もしその時が来たら、その時は胸を張って伝えたい。
あなたとの約束は守ったよ、と。
家に帰り着いた頃には、既に夕方になっていた。
朝早くに動き出し、彼女の家にもそれ程長居をしたつもりは無かったのだが。それ程濃密な時を、あの瞬間過ごしていたという事なのか。
確かに身体が重い。何日分もの疲れがのし掛かって来た様だ。これが、想い出と言う時に逆らう事の代償なのか。
しかし、そんな素振りを見せれば博士が心配するので平静を装いながら家に入る。
哀「ただいま」
阿笠「おお、お帰り。どうじゃった?」
哀「ええ。100%の解決かは分からないけど、お互いの気持ちは話せたわ」
阿笠「そうか。その表情ならそれなりに上手くいった様じゃな。何よりじゃよ」
新一「ああ。だが、俺の方がまだ終わってねぇ。蘭に会うって課題が残ってる」
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