139:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/09(火) 11:52:27.30 ID:3HRQpZhh0
蘭「何故今更私の心をかき乱すの?ねえどうして?答えなさいよ新一!今更何?よりを戻したいとでも?何がしたいの?どうなのよおぉぉぉ!!」
既に蘭の目からは滝の様に涙が溢れている。
泣きじゃくる子供の様な彼女の顔は、皮肉にも新一に幼い頃の蘭の笑顔を思い出させた。
新一(……すまねえ、蘭。だが、言うぜ。哀!)
新一「……今更、蘭の前に出れる立場じゃない事は分かってる。ここで会う事が、お前の傷を抉ることも」
新一「それでも俺は、どうしても言わなきゃいけない事があった。伝えなきゃいけない事もあった。だからキッドに力を借りた」
蘭「……」
新一「あの時……。俺はお前の前で別れを言えなかった。お前の涙を見るのが怖かった。自分が傷付くのが怖かった。だけど、もう逃げねぇ」
新一「どうか、聞いてくれないか。俺の気持ちを。どうか……」ゴンッ
蘭「新一……」
新一は額から血を流すほどの勢いで土下座し床に頭を打ち付けた。
許されなくても良い。ただ、どうしてもこの気持ちだけは伝えなくては……。
蘭「やめてよ、新一。頭を上げて。少なくとも真剣なのは分かったから。話してみて。それを聞いてどんな気持ちになるかは分からないけど」
新一「……ありがとう」
新一「……俺は今日、過去から俺と蘭を解放する為にここに来た。例えお前に恨まれようと、ただのエゴだとしても。この先の未来を生きる為に」
蘭「過去から、解放する……?」
新一「……ずっと、引きずっていた。考えていた。あの時、蘭はどんな顔をして別れの言葉を聞いていたんだろうかと」
新一「怒ってたかな。泣いてたかな。色々考えたよ。それをずっと引きずってきた。そして気づいた」
新一「あの時逃げて……。楽になったつもりでいたけど、本当は全然楽になってなかった。蘭は本当はどんな顔をしていたのか。何を言いたかったのか。それが分からないまま頭の中にずっとこびり付く。ありもしない想像がずっと頭を駆け巡る。あの時逃げたばかりにそんな十字架を背負ってしまった」
新一「俺自身はそれで良い。逃げちまった張本人だからな。だが、俺が逃げたばっかりに蘭も同じ十字架を背負わせちまったと思った」
新一「俺の真意が分からないばかりに、思い出が浮かび上がり胸を締め付ける人生にさせちまったと。今更気づいたんだ」
蘭「……」
新一「もう俺は……。蘭にそんな人生を送って欲しくない。身勝手で上から目線の言い方かもしれないけど」
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