過去ログ - 翔太「一狩り行こうぜ!」冬馬「物理的な意味でな」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/01/26(火) 22:05:26.36 ID:wFbItLEAO
こじんまりとしたこの喫茶店はまだ若かった二人にとって小さな隠れ家のような場所だった。
とても美味しいコーヒーとホットサンドを出してくれる。
ここに来る時は二人でいつもそれを食べた。
私は少食だから一人では食べきれなくて、そうすると余った数切れをこの人はひょいと掴んでパクリと一口で胃に収めてしまう。
そんな男の人の食欲に私はとても驚いた。
それまで私は食事を美味しいとか楽しいと思ったことがなかった。
ただあまりに食べないでいると倒れてしまうから義務的に何かを咀嚼するだけ。
けれどその時初めて、私は誰かと取る食事を楽しいと感じた。
四人で食べた時にはもっと美味しかった。一つのホットサンドを半分に分け合って頬張る小さな娘と息子。
上手に食べられなくてポロポロと膝の上に食べかすを零してしまう子供達を見て、この人はからりとした明るい声でいつも笑っていた。
幸せだった。
「この前のライブのことだけどな」
「……」
「俺は行ってきた」
「ええ、聞いてます」
「なあ。お前も忙しいのは分かるが娘の晴れ舞台なんだ。たまには……」
「仕事があったのよ」
「……」
「どうしても外せない仕事があったんです」
「………そうか。まあそっちにも事情はあるだろうからな。これ以上はまた堂々巡りになるだけか」
「そうね」
「じゃあ……そろそろ俺は出る。お前はどうする」
「まだ少しコーヒーが残っているから」
「分かった」
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