過去ログ - 【艦これ】鳳翔さんは料理ができない
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2:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:02:31.42 ID:MwAlv1fDO
料理ができないとかあり得…いや、なんでもない…
3:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:09:21.49 ID:WrgJI4j4o
こつこつと靴が音を響かせる。
真夜中の廊下というのはこれほどまでに静かだったのだろうか。
眠気に欠伸を誘われながら、ひとつふたつと角を曲がる。
すると、月以外の明かりが部屋から漏れているのが見えた。
4:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:14:02.15 ID:WrgJI4j4o
「あら、提督……」
内から聞こえてきたのは、あの鳳翔の声であった。
彼女の作る料理は絶品と聞く。
なにやら運が回ってきたのだろうか。
5:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:24:04.38 ID:WrgJI4j4o
「どれ、ひとつくらい抓ませてはもらえんか」
「構いませんよ。少し作りすぎてしまったので」
鳳翔はそそくさと食器棚へと歩み、小さな皿を取り出した。
6:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:28:57.95 ID:WrgJI4j4o
「ふむ……」
ゆで卵であった。
それは紛れもなく、茹でられた卵の姿である。
7:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:33:19.08 ID:WrgJI4j4o
何故そのような眼をしているのだ。
問いかけようにも彼女の気迫はただならぬものである。
もしかすると、料理人の誇りというものであろうか。
簡単な調理をしたものでも、不味いものは作れぬという意志の表れか。
8:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:41:58.56 ID:WrgJI4j4o
どろりと流れ出す皿の液体を見て、鳳翔は頭を抱えていた。
状況を飲み込めない私は、皿を持ったまま鍋の様子を見てみる。
鍋は火にかけられていた。
しかしそのゆらめく弱火は、鍋に対して些か不相応であった。
9:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:51:33.54 ID:WrgJI4j4o
聞いていた話と違いすぎやしないか鳳翔よ。
声をかけようにも、彼女はあわあわと言うばかりで話にならない。
ひとまずこの卵をもう一度煮てしまおう。
私は火を強め、割ってしまった卵を菜箸で押さえながら、鍋が沸騰するのを待った。
10:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 01:57:36.57 ID:WrgJI4j4o
「ところで鳳翔」
「申し訳ありません」
違うのだ。
11:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 02:04:36.99 ID:WrgJI4j4o
時計の針が目盛りを七つ刻んだ頃、割れた卵から漏れ出す白身が固まりきった。
頃合いだろう。
私は卵を鍋から掬い上げ、ふたつみっつと皿に盛った。
「鳳翔、茹で卵はこのくらいかけて茹でるのだ」
12:名無しNIPPER[sage]
2016/01/29(金) 02:10:09.28 ID:WrgJI4j4o
いや、そんなはずはなかろう。
この目で確かに、鳳翔が料理を振る舞っているところを見たことがある。
それも数度だ。
「きちんと固まっていますね」
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