過去ログ - 【fate】蒔寺「アタシはお前が嫌いだ」士郎「……そっか」
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6: ◆rmBd.WnMF2[sage]
2016/01/29(金) 18:44:34.78 ID:2CEqr2CX0
――――正直に言えば、その瞬間の私は倒れこみそうだった。
親友がトラックに轢かれる……そんな状況に直面した私の頭はパンクしかけで、だからこそその結果に気付いたのは三の字の方が早かったのだった。

「蒔ちゃん!!衛宮くん!!」

私の頭が動き出し、蒔の字の基に走り出したのは彼女がそう叫んで走り出した後だった。
「蒔寺!!大丈夫か!!」
蒔の字は無事だった。差していた傘はトラックに巻き込まれていたが、彼女に怪我は無かった。

「あ……あぁ……」
……だというのに、何故彼女は恐怖の表情を色濃く残したままなのか。当時の私達にはそれが分からなかった。

「ありがとう……衛宮。」
「あぁ……やっぱり氷室だったか。っと、蒔寺、怪我は無いか?」
彼女を助けたのは衛宮だった。作業中だったのだろうか、イヤに似合ったつなぎ姿で、跳びこんだからだろうか、抱え込んだままだった蒔寺に声をかけた。

「……イヤッ!!」
それに対する返事は何故か拒絶の言葉と突き飛ばしだった。
私や三の字も蒔の字との付き合いは長い。だというのに、その感情は初めて見る物だった。

「…………あ、ご、ゴメン衛宮。……衛宮……だよな。
うん……悪い……怪我?怪我……うん、無いよ。うん……」
正気が戻ったのか、雨にずぶ濡れたままの蒔寺は何故か、確かめるように衛宮の名を口にしていた。

――――その場はこれで終わった。警察や病院といった諸機関に連絡をし、蒔寺は診察の結果特に怪我もなくすぐに解放された。衛宮は既に居なかった。なんでも、バイトの予定があったそうだ。

本当の問題が分かったのは、この翌日の補習登校日の事だった。


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