35:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:15:44.46 ID:NYPOpsNEo
大筋は、一般的に知られているシンデレラの物語とほとんど一緒にすることにした。
意地悪なまま母と二人の姉にいじめられていた可哀想なシンデレラが、魔法使いに助けられて舞踏会で王子様に出会い、
めでたく結ばれる単純なストーリー。
魔法使いは、普通のお話ではシンデレラの名づけ親のおばさんみたいだったけど、
今回はシンデレラの家の近くに住む友達の魔法使いということにした。
まま母と姉には、シンデレラに意地悪をする理由を練ったり、意地悪の内容を優しくしたりしようと考えていたけど、
京子先輩と櫻子ちゃんが「そんなことよりとにかくちなつちゃんに意地悪したい!」と意味の分からないこと言ってたので、
フォローはもっぱら最後の改心シーンに回すことにした。
まぁ、あの二人ならどうせアドリブでコメディにしてしまうだろうし、陰鬱な雰囲気にはならないだろう。
あとは尺を考えて特に必要のないシーンを削って、最後に王子様と王様の決闘シーンを入れることにした。
シンデレラに心惹かれ結婚を申し込む王子様。しかし王子様には親から定められた婚約者がいた。
相手の顔もほとんど知らない、心も通わない体裁のためだけの婚約に王子様は反発し、王様に決闘を申し込む。
そして、王子様は見事勝利し、最後にシンデレラに誓いのキスをする。
ちなつ「できたー!」
あかり「やったねぇ」
晩御飯をいただいて、夜の八時を回った頃、ようやく私は最後の文を書き終えた。
出来上がった台本は非常に満足行くものだった。
私とあかりちゃんの努力の結晶だ。
ちなつ「ありがとう! あかりちゃんのおかげだよ!」
私はあかりちゃんの手を取ってお礼を言う。
あかりちゃんはいつものように笑って「ちなつちゃんが頑張ったからだよぉ」なんて言っている。
どれだけ私があかりちゃんに助けられたかも知らないで、いつものように笑っている。
私はそれがなぜだかちょっと寂しくて、その気持ちを紛らわすように出来上がった台本を強く抱きしめた。
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