48:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:22:28.71 ID:NYPOpsNEo
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ちなつ「あかりちゃん……私、どの辺りから気を失ってたかわかる……?」
帰り道、結衣先輩と別れた後、私はあかりちゃんにそう尋ねた。
不覚だった。いくら結衣先輩が恥ずかしがり屋さんでも、私が気を失っていなければ今頃は唇を奪えて天にも昇る
気持ちで帰宅していただろうに。いや、学校を出たその足で教会に向かっていたかもしれない。
それに、私が緊張して固まってるから結衣先輩が気を遣っておでこにしてくれたのかもしれないし……。
なんて惜しいことを……。
あかり「えーっと、結衣ちゃんが『今度こそ二人の婚儀を交わしましょう……』って言った辺りからかな、おかしそうだったのは」
ちなつ「そっか。うん、確かにその台詞聞いた覚えがない……。台本にはあったのに」
私は自分の不甲斐なさにため息を付く。
ちなつ「あかりちゃん、私って本当に駄目な女ね……。このまま地面に埋まってしまいたい気分だわ……」
あかり「そ、そんなことないよ! 大丈夫だよ、今回は結衣ちゃんも照れくさかっただけで、
きっと本番ではその、ちゃ、ちゃんとキスしてくれるよ! あかりも応援するから、諦めちゃ駄目だよ!」
私が弱音を吐いていると、あかりちゃんがそんなことを言って腕を絡ませてきた。
ちなつ「あかりちゃん、ありがとう」
私はお礼を言って、あかりちゃんの方を見る。
あかりちゃんの横顔。
いつもの横顔。
いつもの、優しい横顔。
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