83:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:45:59.49 ID:NYPOpsNEo
きっと長い目で見たら、こんな想いに気付かないで、結衣先輩に告白してしまった方が楽だったはずだ。
この充足した気分はきっと今だけのもので、これから私は結衣先輩に振られることよりも、もっとつらい思いをするのだろう。
だけど、もしかしたら、それこそが私に与えられた本当の罰なのかもしれない。
魔法使いを利用し続けた代償は、結衣先輩に振られるくらいじゃとても清算できなかったのかもしれない。
だからきっと、これでよかったのだ。
結衣「うん。確かに、ちなつちゃんの言うとおりかもしれない。きっと両方とも、
ちょっとだけ正しくて、ちょっとだけ間違っていたんだろうね」
結衣先輩はそんなことを言って、駅の方に歩き出す。その言葉の意味はよくわからなかった。
私は缶ジュースを飲み干して、くずかごに入れて、その背中を追いかける。
結衣「帰ったら、あかりのところに行ってあげて。きっとさ、ちなつちゃんの誕生日を一番祝いたがってたのは、あかりだから」
駅まで並んで歩いている途中、結衣先輩が不意にそう言った。
正直、あかりちゃんに合わせる顔なんてなかった。
利用して、利用して、涙まで流させて、挙句の果てに恋をして。
あかりちゃんにとってはいい迷惑にも程がある。
それでも、あかりちゃんが私の誕生日を祝ってくれるというのは抗えない魅力を持っていた。
それに、行き場を失ったあかりちゃんの心を救うためにも、私は彼女に本当の思いを告げるべきなのかもしれない。
その先にどんなつらい結末が待っていようとも。
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