4: ◆v.By3fESrTsY[saga]
2016/01/30(土) 21:15:02.57 ID:0hXokCkZ0
人っ子一人いない真昼の事務所。そこでアタシは一人、息を大きく吸っていた。
と、背後の扉が開く音。
P「つかさ、そろそろ出るぞ。準備はできてるか?」
つかさ「ヨユーっしょ。…って言いたいとこだけどやっぱパねえわ。本番の緊張ってのは」
P「ははは、お前にもそんな一面があるんだな、ギャル社長さん」
つかさ「当たり前っしょ? 社長とアイドル、使う回路は別モン。それくらいは当然、OK?」
P「そっか、ならさ」
そう言うとPはアタシの手を握り、頭をなでる。咄嗟のことで流石のアタシも混乱し。
手を振り離そうとすると優しい声が頭上から降ってきた。
つかさ「ちょ!?」
P「大丈夫だ、お前は俺が信じたアイドルなんだから」
その声は、強張っていたアタシを解き放ってくれた声。
灰色の世界から抜け出させてくれた、声。
P「輝けるよ。お前、言ったろ? 新しく輝く場所に立ちたいって。そしてお前はその力もある、努力も積んできた、そして俺が信じてる」
つかさ「…」
P「だから行けるさ、輝きの向こう側に」
そうだ、アタシは、輝きの向こう側に…。
つかさ「…そうだな。ありがと、感謝はしとく。でもそれを返すのはキッチリあとでな」
P「おう、じゃ、車回しとくぞ」
つかさ「…確保、収容、保護」
P「あれ、お前も知ってんのか?」
つかさ「パートナーの趣味把握すんのなんか当然っしょ」
照れ笑いをして駆け出した。『確保・収容・保護』。どこかの理念だというその言葉。
アタシはすっかり、Pの手で。ああ、言わせんなよ。
人っ子一人いない白昼の街。そこでアタシは、輝きへの第一歩を。
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