過去ログ - あぎり「やすなさんの異常な愛情」
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708:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 01:45:18.48 ID:qN8sgtAQ0
気が付くと、一佐の厳つい顔が目の前にあった。

「一、佐……?」

「気がついたか」

「ヘリに、居たはずじゃ……」

「何故か知らんが、爆撃隊が全滅したお陰でこうやってお前を向かえに来たんだ。少しは感謝しろ」

そう言いながら、一佐は私に肩を貸してくれた。

「よし戻るぞ、脱出だ!」

「了解!」

小銃を構えた隊員たちが来た道を引き返し、私達もそれに続いた。

やはり、まだ体が重たい。
一佐の肩を借りながら、私は体を引きずるようにして歩いた。

そこから先は、もうあまり覚えていない。

ただ、私が覚えているのは。

バランスを崩し、海面に倒れこむアーケロンと。

私の頬を伝う、一筋の涙の温かさだけだった。





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