過去ログ - 周子「アイドルでオトメなあたし」
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24: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:22:13.12 ID:QpfMQaPz0
「おつかいでも頼まれたの」


「帰社前に、ちょっとスタジオにな」

以下略



25: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:22:48.22 ID:QpfMQaPz0
半時間? と首を傾げたプロデューサーさんに、あたしは思わず失笑する。

そろそろ関西のイントネーションも抜けきったかなと自負していたけれど、どうやらまだまだ、シューコは雅な京娘のままのようだ。

三十分ね、と言い直してから、あたしはスマートフォンの画面に視線を戻す。


26: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:24:24.89 ID:QpfMQaPz0
『パスコードを入力』


ううむ、流石は敏腕プロデューサー。

以下略



27: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:25:02.57 ID:QpfMQaPz0
えー、と口を尖らせたあたしの方を、プロデューサーは見もしない。

あたしの小さな意地に、ぽつりと火がともされる。

こうなると、俄然やる気が出てくるのが人の性ってもの。やってやろうじゃありませんか。


28: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:25:28.30 ID:QpfMQaPz0
「プロデューサーさん、誕生日って七月のいつだっけ」


「なんだ、何かくれるのか」


29: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:25:58.82 ID:QpfMQaPz0
プレゼントは、あたし、なーんて。

以前のあたしなら、いたずらっぽく笑いながら言えたんだろうな。

ミステリアスだの、小悪魔だのといった代名詞がついていたころのあたしなら。


30: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:26:49.42 ID:QpfMQaPz0
小さくついたため息にはおそらく気付いていないだろう、プロデューサーさんはきちんと答えてくれた。

なるほど、十九日。

そういえばみんなのプレゼント選びについていったのは、そんなころだったような気がする。今年は忘れないようにしないと。
以下略



31: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:27:57.48 ID:QpfMQaPz0
残念、外れ。


なんの、まだまだ。

以下略



32: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:28:24.04 ID:QpfMQaPz0
「じゃあ」



かのじょの たんじょうびは ?
以下略



33: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:29:09.53 ID:QpfMQaPz0
あたしの口から出てこようとするそれを、あたしはぐっと噛み潰す。

あたしをスカウトしたばかりのころのプロデューサーさんなら、きゃいきゃいと笑う小学生組にも冷やかす調子の学生組にも、みんなに同じように少し冷やかに笑いながら、じっとあたしたちの目を見て、カセットテープのような一本調子で「彼女なんていないよ」と答えたに違いない。


以下略



34: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 00:29:52.52 ID:QpfMQaPz0
ありがたいことに、あたしとプロデューサーさんは結構な時間、良好な関係を続けられていると思う。

プロデューサーさんは多分、家族の次にあたしの色々な顔を知っていると思うし、あたしも出会ったころには気付けなかったプロデューサーさんを色々と知った。

たとえば、気を許しているときのあなたは、むしろ相手の顔を見ない。
以下略



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