過去ログ - 周子「アイドルでオトメなあたし」
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42: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 22:36:49.78 ID:QpfMQaPz0
あたしなら?



暗闇の中、街灯の明かりにぼんやりと浮かび上がったあたしが、窓ガラスの向こうからあたしに問いかける。
以下略



43: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 22:37:58.99 ID:QpfMQaPz0
プロデューサーさんの目に留まって、実家を放り出されて。

それからのあたしは、歌って踊って汗をかいて。

お気楽ごくらく看板娘、何事もゆるーくテキトーに流されて生きてきた塩見周子ちゃんが、悔しくて眠れなかったり、声出して泣いたこともあったり。
以下略



44: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 22:39:13.00 ID:QpfMQaPz0
あたしは一度だけ、あたしをスカウトした理由をプロデューサーさんに訊いたことがある。

実家の店先で初めて会ったとき、たしかプロデューサーさんは「寂しそうだったから」と答えたんだっけな。

そのときは特段気にならなかったから、それ以上訊こうとはしなかったけれど。
以下略



45: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 22:40:24.83 ID:QpfMQaPz0
おそらくそれを知ってしまうと、あたしはもうみんなのアイドルシューコには戻れなくなってしまう。

どんなに意識しないようにしても、あたしの笑顔は、あたしのダンスは、きっと一人だけのものになってしまう。


以下略



46: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 22:40:51.89 ID:QpfMQaPz0
だからあたしは、もうしばらくはみんなのアイドルシューコのままでい続けるのだ。

誰かさんが、もうしばらくみんなのプロデューサーでい続けてくれることを願いながら、こんこん、歌って踊るのだ。


47: ◆oGGROSsMWw
2016/02/02(火) 22:46:43.11 ID:QpfMQaPz0
でも、今は?


窓ガラスの向こうのあたしが、意地悪く微笑む。

以下略



48:名無しNIPPER[sage]
2016/02/04(木) 05:46:26.17 ID:6wlICjpQO
周子の可愛さが伝わってくるSSだわ
支援


49: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:09:54.93 ID:0CcSjkT/0
「ていうか、プロデューサーさんって、彼女の誕生日を暗証番号に使うタイプかなー」



さっきまで誰かさんが座っていた運転席は、もちろん何も答えない。
以下略



50: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:10:48.15 ID:0CcSjkT/0
ひょっとしたら、プロデューサーさんはみんなが思っている以上にロマンチックな人なのかもしれない。

でもあるいは、そんな人はまだどこにもいなくて、今は単なるラッキーナンバーとか、意味のない数字の羅列がその役割を果たしているのかもしれない。


51: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:12:26.36 ID:0CcSjkT/0
あたしは後者を願うことにした。

幸いあたしは、的当ては得意だ。

いつか誰かが、誰かさんのダブル・ブルを射抜くときがくるだろう。
以下略



52: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:13:38.07 ID:0CcSjkT/0
そろそろ、プロデューサーさんが戻ってくるころだろう。

あたしはスマートフォンをドリンクホルダーにでも置こうとして、せっかくなので、あたしも少しロマンチストになってみることにした。

憧れの人の暗証番号が、自分にまつわる何かだなんて。
以下略



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