過去ログ - 周子「アイドルでオトメなあたし」
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66: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:51:04.53 ID:0CcSjkT/0
ガチャリ、という音が鳴った。
同時に地球は再び回りはじめる。
67: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:51:56.21 ID:0CcSjkT/0
「すまん周子、待たせた」
いかにも寒そうに両手を擦りあわせながら、プロデューサーさんが運転席に乗り込んできた。
68: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:52:37.41 ID:0CcSjkT/0
「お、おかえり。お使い、ご苦労さまやったですね」
下がれ体温、静まれ血流。
69: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:53:03.73 ID:0CcSjkT/0
「やっぱり、ちょっと風邪っぽい顔をしてるな。少し赤いし、息も荒い」
70: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:53:31.24 ID:0CcSjkT/0
ああ惜しい。
残念だけど、八十点だねプロデューサーさん。
続けて述べられようとしているのは、恐らく再度の謝罪の言葉。
71: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:54:29.45 ID:0CcSjkT/0
「ちょっと寒かったから、暖房効かせすぎたせいかもしれないなー。心配してくれてありがとね、でも大丈夫だよ」
はい携帯、そう言って手渡したスマートフォンを、プロデューサーさんはまだ少し訝しげな顔をしながら、でも何も言わずに受け取ってくれた。
72: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:55:04.62 ID:0CcSjkT/0
「周子なら、四桁の暗証番号くらいすぐに開けられそうなもんだけどな」
その言葉に、あたしの心臓はどきりと跳ねる。
73: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:55:36.48 ID:0CcSjkT/0
ごくりとあたしの喉が鳴った。
どういう意味かと訊いていいか、と窓ガラスの向こうのあたしがにやついている。
訊いてどうする? プロデューサーさんは何と答えるかな。
74: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:56:12.52 ID:0CcSjkT/0
逡巡すること、数秒。
結局あたしの口から出たのは「ソンナコトナイヨ」の一言だけだった。
あらかじめ録音しておいたかのような、よどみない否定。
75: ◆oGGROSsMWw
2016/02/04(木) 22:57:27.59 ID:0CcSjkT/0
「まあとにかく、一応戻ったら熱測っておくんだぞ。気になるようならちひろさんか俺にすぐ報告、連絡、相談。いいな?」
「心配性だなー、プロデューサーさんは。プロデューサーさんこそ、風邪ひいたりしないでよ? あ、もしそうなったら、ご飯食べさせにいってあげよっか」
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