過去ログ - シェアハウス (オリジナル百合)
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32: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 21:11:11.90 ID:CnMOex1r0
祭ちゃんは、ソファの上にあったぬいぐるみを掴んだ。
茶色いクマを掲げる。
その後ろに顔を隠した。

「もう、おしまいだ。住む所もバレてしまった。奴らが今にやってきて、僕をここから追い出すだろう」

部屋に彼女のくぐもった声が流れた。

「行く当てはあるの?」

私は聞いた。

「行く当て? さあ。でも、ここにはもういられないね。僕は街を出て、森に帰り、人を忘れて生きていくよ」

「忘れられる?」

「……」

クマが揺れた。
音声は無い。
私はクマを掴んだ。
それをぽいっと端に投げた。
祭ちゃんがいきなり変な人形劇を始めたものだから、私は一呼吸おいて落ち着いて言葉を紡ぐことができた。
彼女の方がよっぽど緊張状態であり、興奮し錯乱していたのだ。
なんとなく、彼女は安心を求めているようにも思えた。


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