過去ログ - シェアハウス (オリジナル百合)
1- 20
7: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/03(水) 22:14:40.23 ID:js3SwMrT0
しょうがないので、自宅の方に電話した。
電話に出たのは、妹の方だった。

「あ、もしもし……祭ちゃん?」

『……』

桃ちゃんは電話には出てくれる。
けれど、喋る声は全く聞こえない。
昔から、そう。
ちょっと不気味。
友達が言うには、中学で引きこもり始めてからずっとそうらしい。

『……』

かすかに息を吐く音。
何か、喋っている気がするのだけど分からない。

「お姉ちゃん、いますか?」

友達の名前に反応して、電話越しに息を飲む音が聞こえた。
いるのか、いないのか。
暫く待ってみたけど、いっこうに返事がない。

「変わってもらっていい?」

『……』

何か、聞こえた。
気のせいかな。
風の音かな。
窓は閉めたはず。
後ろを振り返る。
閉めてるよね。

『……いやあ』

猫のような濁声が耳をぞわりと貫いた。
思わず取り落としそうになった携帯を無意識に耳から離した。

プッ。
通話が途絶えた。

「なに……?」

私はその晩、妹の声を初めて聞いた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
45Res/39.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice