過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編
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107: ◆2nrFb/cgFg[saga]
2016/02/02(火) 02:12:51.98 ID:SPAOH17vo
「今日はすみませんでした」


 あの後しばらくして、落ち着いた和を彼女の家まで送り届けた。

 さすがに一人で帰すのは不安だったのが半分、離れがたかったのが半分だ。


「いいって。和の本音を聞けたしな」


 道すがら、彼女は色々と語ってくれた。

 最初の頃は年輩の入院患者たちが麻雀を教えてくれたこと。

 父親は最初難色を示したが、たまに何かを思い出すように辛そうな表情をするものの

 優しげに笑いながら教えてくれたこと。その時に利き腕ではなく右手で打つよう指摘されたこと。

 退院してからは主にネット麻雀をするようになり、それなりの腕を得た頃に

 両親の転勤で訪れた奈良で友達が出来たこと。

 その後長野に移り、優希をはじめとした高遠原中学麻雀部の仲間ができたこと。

 その頃にはネット麻雀上ではほぼ負けなしの伝説と化していたこと。

 気付いたころには麻雀が欠かせないものになっていたこと。

 俺も負けずに話していたと思う。最も和ほど波乱万丈な人生ではないが。

 そうして家の前で会話しているのだ。もう行かなければならない。


「……それじゃ、また明日学校でな」

「はい。――あ、ちょっと待ってください」


 背を向けようとしていた俺を呼び止める和。呼び止められたために重心がズレる。


 チュッ


「ふふっ。また明日です、京太郎くん♪」


 俺の首に手を回して引き寄せ、背伸びしながら軽いキス。

 長い睫毛、整った顔、甘い香り。柔らかでいて張りのある唇の感触。

 硬直した俺に向け、ウィンクするように片目を瞑った後、

 彼女は軽やかにドアの向こうに消えていった。

評価

原村和:せ、責任をとってくれるでしょうか……?
    →好きです


5月2週終了。

須賀京太郎
属性 :O
技量 :C56
直感 :D47
必然力:C54


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