過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編
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33: ◆2nrFb/cgFg[saga]
2016/02/02(火) 00:39:23.80 ID:SPAOH17vo
「いや、あんなのラッキーパンチじゃん。

 ガチの公式戦じゃないんだから犬に噛まれたとでも思えばいいんじゃないかな。

 それに、2回目の対局は染谷先輩が集中して狙ってたみたいだからしょうがないって。

 俺が狙われてたらさっさと飛んでた」


 冗談めかして軽く笑う俺を見て、ようやく表情を明るくした原村さん。

 そうでしょうか、なんだかそんな気がしてきました、と呟く。

 どうにか気を取り直してくれたらしい。


「あ、そうだ。せっかくだし原村さんのこと和って呼んでもいいか?」

「えっ? でも、まだ今日会ったばかりですし……」

「いいじゃんいいじゃん、同じ1年で部活仲間。堅いこと言いっこなしだ」


 必殺の爽やかスマイルも添える。我ながら顔は良い方なのだ。

 これをすると淡や桃子もなんだかんだと矛を収めてくれるので重宝している。

 さて、原村さんには通用するだろうか。


「ふぇ!? あ、そ、そう……ですね。そういえば、須賀君は見学では?」


 一瞬狼狽えるように鳴いた原村さんだが、次の瞬間には何事もなかったように

 平静な表情になった。どうやら こうかは いまひとつの ようだ。


「とりあえずは見学のつもりだったけど、対局してみて結構楽しかったから」


 これは本音だ。桃子と一緒にやれる部活動で、咲のための下見。

 そんな目的が大半だったのだが思いのほか楽しかった。

 これなら俺自身も熱中できそうな気がする。入部しない手はないだろう。

 楽しかった。その単語を聞いた原村さん……いや、和は、優しげな笑顔を見せた。

 彼女は、麻雀が好きなのだろう。自分の好きなものを好意的に見てくれる人に

 悪感情を向ける人はなかなかいない。彼女なりの警戒線を緩めたのだろう。




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