過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編
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659: ◆2nrFb/cgFg[sage]
2016/02/05(金) 21:08:23.35 ID:zfJlhoP+o

「――ありがとう、ございました!」


 対局が終わり、俺は一瞬目を瞑ってから頭を下げた。

 直取りこそできたが、2600止まり。満貫を取られている以上完全な負け。

 ネトマなどでも感じたが、俺は完全に天狗になっていたんだろう。

 個人団体共に制覇したが、それはあくまでも長野県内に限った話。

 衣さんや憩さんといった屈指の強者がいたとはいえ、全国にはまだ上がいる。

 高校生だけで言ってもそうなのだ。プロなど上を見ればキリがない。

 それを思い知らせてくれた。叱ってくれる人は大事にしろと言うが、身に沁みる。


「おう、まあいいってことよ。つーか、俺に華持たせろやカイジ」


 苦笑いしながら南浦プロはカイジさんを睨んでいる。

 確かに数絵のお爺さんへのご挨拶、という状況で横から掻っ攫われたわけで。

 それでもカイジさんはくつくつと笑うのみでまるで気にしていないが。


「さて、数絵が貰われるんだ……今日は飲むぞ!」

「あの数絵ちゃんがついになァ。ま、坊主なら大丈夫だろうよ」

「坊主、いや京坊。また天狗になったら鼻っ柱ブチ折ってやるから安心して突っ走れ。

 それと……ガキには酒は早いからな。どうせ聡はすぐ潰れる。

 2,3時間外で時間潰してな。祝儀には少ないから小遣いと思って持ってけ」


 南浦プロがおもむろに一升瓶を取り出し、イチさんがごそごそと乾き物を並べる。

 そんな二人と目を白黒させる数絵を尻目に、カイジさんが俺ににやりと笑いかけて

 手にぽち袋を握らせてくる。突き返すのも失礼だし、ありがたく受け取っておく。


「ありがとうございます。……数絵、ちょっと外出ようぜ」

「え? ええ、うん」


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