過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編
↓
1-
覧
板
20
79
:
◆2nrFb/cgFg
[saga]
2016/02/02(火) 01:32:35.32 ID:SPAOH17vo
「お、掃除しちょったんか。感心感心」
染谷先輩がやってきた。部長とは違った理由で忙しいためにあまり部活への
出席率は高くない先輩だが、その実力は身に染みている。
特に眼鏡を外した後は先を読んでいるかのように場の流れを上手く掴んで卓上を泳ぐ。
その秘訣があるならば、聞いてみたかったのだ。
俺はまだ弱い。経験も圧倒的に足りない。みんなは慰めてくれたが、
実際にはその権利すらないほどに。
だから少しでもいいから道を切り拓きたいのだ。
「染谷先輩、よろしければ練習を見ていただきたいのですが」
先輩は一瞬目を細め、ま、いいじゃろ、と了承してくれた。
「東横も入りんさい。あー、消えるのは無しでな。須賀の練習じゃけぇ」
三麻形式での練習。四人で打つ時とはまるで違う。
いつもと違う感覚に苦戦しつつもどうにか打っていく。
「そういえば、先輩は眼鏡を外した後は打ち筋がだいぶ変わりますけど、何か理由があるんですか?」
「おお、もちろんある。ワシの実家は雀荘を経営しとっての。
小っちゃい頃から手伝うとったから、何千何万局と見てきたんじゃ。
祖父さまの知り合いがメインの客層じゃったから、ある程度打てる人ばかりでの。
だからこそ、時々の牌の偏りなども目にしてきたんじゃ。
そして、ワシはそれを全部覚えておる。さすがに牌譜に書き起こせるほど鮮明ではないがの」
経験。実戦ではないものの、だからこそ俯瞰的な視点で観察してきた圧倒的な場数。
今の俺に最も欠けているものの一つ。やはりそれが強さにつながる。
「おんしには経験が圧倒的に足りておらんからワシの真似はできんだろうが。
じゃけぇできるアドバイスは少ない。
もったいぶらずに言えば、自分自身を信じることじゃ」
「自分……自身を……?」
「そうじゃ。ワシは祖父さまがくれた場数の記憶、それを見覚えた自分を信じておる。
そしてその記憶がもたらす勘に逆らわず打つ。そうすれば牌が来てくれるんじゃ」
逆らわず打つ。和に教えてもらったのは、見える情報から導き出す確率。
染谷先輩は、さらに場全体を読んだ上での直感を信じ、見えない情報を読み取る。
見えているものだけでは分からない何か。麻雀にはきっとそれがある。
桃子の気配は彼女自身の持つ特異性だが、
それを麻雀に利用した上で自身の特異性を信じて打っているのだろうか。
「おっと、それロンじゃ。須賀にはまだ難しかったかの」
そう言ってかんらかんらと笑う染谷先輩。
悩む俺を二人が優しげな眼をして見ている気がした。
直感がぐーんと上がった
染谷まこの好感度がわずかに上がった
直感が下がった
染谷まこの好感度がわずかに上がった
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
806Res/1129.50 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1454338876/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice