過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」県内編
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9: ◆2nrFb/cgFg[saga]
2016/02/02(火) 00:12:54.01 ID:SPAOH17vo
 なんとも、簡単に言ってくれたものだ。だがそれは来てほしいという願いでもあったのではないか。だから――


「そう、だな。せっかくならモモも一緒にやれたほうがいいだろうし、麻雀部、覗いてみようと思う」


 麻雀、か。そう忌々しげにつぶやく咲。咲は麻雀をあまり好きではないらしい。

 過去に何かあったのだろうことは分かるのだが、何があったのかは知らない。

 咲が語りたがらない以上、踏み込むきっかけが無かったのだ。

 だが、姉である照との仲違いと前後してその傾向が強くなったようには思う。

 もし咲が仲直りをしたいのであれば……いずれ麻雀をしなければならない。

 そんな直感がある。



 実際問題、ハンドボール部はこの清澄高校には存在しない。

 であればバスケ部かサッカー部か、あるいは野球部かといった選択肢であるが。

 正直に言って、俺は自分自身の限界が見えてしまっていた。

 県大会決勝。チームメイトだって決して下手ではなかった。

 形で言えば俺はエースでポイントゲッターだった。

 だが、決勝の相手は格が違ったのだ。全員が俺と同じかそれ以上の上手さ。

 体格ではやや勝っていたくらいだったのに、それでも負けた。

 接戦ではあったのだ。だが、だからこそ限界が分かった。

 だったら別の分野に目を向けてみてもいいんじゃないか。

 そう思っていた頃に、桃子と淡に進められて少し麻雀をかじったのだ。

 はっきり言ってぼこぼこにされてばかりだったが。

 それでも、圧倒的に格上である淡が俺には可能性があると言った。

 信じて、賭けてみるのも悪くないんじゃないか。

 ついでに咲の居場所でも整えておいてやれればなお良しだろう。

 そう思って、俺と桃子は早速麻雀部のドアを叩くことにした。



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