過去ログ - 八幡「ガン見ゆいゆいの瞬き」 結衣「あたしたちの内緒の、あまーい秘密」
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15: ◆74muXbptfo[saga]
2016/02/02(火) 21:06:38.52 ID:zZH1ktsK0



 やばっ! 慌ててスカートに手を突っ込み、電源ボタンを押した。

 うるさい音は消えたけど、代わりに気まずい沈黙が広がる。

 ちょうど上手いこと、CDのトラックが最後だったらしい。

 おかげでしーんと静まった室内。

 やばい、これはやばい。冷や汗が伝った。

 恐る恐る見上げた隙間越しに、唖然とした顔の二人と目が合う。

 「や、やっはろ〜…」

 無理に作った笑顔は、自分でも分かるくらい思いっきり、引きつっていた。

 「え、ま……結衣、いつから!?」
 「えーっと……」

 どこからどう見ても焦った様子の隼人くんは、口をパクパクさせてあたしを見ている。

 半裸の姿でそうされると凄くシュールだったけど、そう思うよりもあたしは隼人くんと同じくらい焦りを感じていた。

 ええと、これはなんと言うべきか。

 『別に何も見てないしッ!』? それとも『あっ、二人で昼寝? 試験前に余裕だねぇ』……いやいや、どう考えても無理がある。

 言い訳を必死に考える中で垣間見たヒッキーは、ショックのせいで言葉が出ないらしかった。

 そりゃそうよね、女の子に自分のセックス見られて。しかも自分が受けっていう。

 「あー、その……ごめんね。結構見てた、かも」
 「……」
 「あ、あのねヒッキー。あのね、違うのッ。悪気があったわけじゃないの!聞いて!えっと、ほら、」

 気が付くと、必死に言い訳してる自分がいた。

 考えは纏まらないのに、口だけはいつもの倍速で動かして。ヒッキーに嫌われたくない一心で、自分の保身に走って。一番傷ついてるのはヒッキーなのに。

 分かってはいても、それでも涙が流れてしまう自分が凄く嫌で。

 「……由比ヶ浜」
 「ひっ、ぁ、ぁ……」

 さっきの情事の中とは異なった、奉仕部にいる時ともまた違う、低い声であたしを呼ぶヒッキー。

 ああ、終わっちゃった。怒られるんだろうなと咄嗟に思ったあたしは身構えて「はい……」と返事をした。

 でも。

 「あー……まあ、お前の言い分は分かった。だから……とりあえず、恥ずかしいから、外、出て」
 「へっ?」
 「着替えたいし……その、色々、しなきゃいけないから」

 ヒッキーはそう言うと、ぽっと頬を赤く染めてあたしからあえて目を逸らすように反対側を向いた。

 言われたあたしはというと、怒られると思った拍子の予想外の言葉に数秒固まった。

 だけど、だけど。

 「……っヒッキー!!!!」
 「!?!?」
 「ヒッキー、ヒッキー、ヒッキー!!! ヒッキー大好きっ!!!」
 「んなっ、結衣!! 八幡から離れろ!!」

 ああ、もう何だろう。

 隼人くんを押し退けてヒッキーをぎゅーっと抱き締めれば、何だか一層の愛しさが胸一杯に溢れてきた。

 あわあわとあたしの腕の中でもがくヒッキーが可愛すぎて言葉にならない。

 「おい結衣!服! 精液が制服に付いてるって!」

 隣で隼人くんが、さっきよりも焦った声で騒ぎながらあたしを引き剥がそうとしてきたけど、もうそれどころじゃない。

 隼人くんの馬鹿みたいな叫び声が響く中、あたしは自分の中に生まれた新たな感情を、ヒッキーを抱き締めることで発散させていた。


 ――そんなわけで、二人がひっそりと隠し持っていた秘密はその日以降、『あたし達の秘密』となったのだ。



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