過去ログ - 女「今夜は星、よく見える?」
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23: ◆rYabpcH/DQV2[saga]
2016/02/04(木) 21:11:23.98 ID:F1ImYUvc0
女が隣に引っ越してきてから4年がたった。

俺と女は小学校を卒業し、同じ中学に進学した。

女は調理師を目指していて、そのための練習だからと、中学に入ってから毎日俺の弁当を作ってくれるようになった。

一方の俺は天文学者を志していた。
女と初めて星を見上げたあの日の空をーー俺を孤独という迷路から連れ出す道しるべになってくれた星を、もっと知りたいと思ったから。

俺たちは、今も一緒に天体観測を続けていた。中学に上がってからは、双眼鏡だけでなく、天体望遠鏡も使うようになった。小学校の卒業祝いとして、父さんが俺たちにと買ってくれたのだ。

それまで、誕生日やクリスマスのプレゼントは、決まって図書カードだった。俺は父さんに物をねだったことはなかったし、それに、父さんも俺が何が欲しいかわからなかったんだろう。
だから、望遠鏡を部屋のドアの前で見つけた時は本当に驚いた。正直、父さんは俺のことをあまり見てくれていないと思っていたから。でも、望遠鏡の大きな箱を見て分かった。父さんは俺を影ながら見ていてくれたんだ。

改めて、「1人じゃない」という事を強く実感した。


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