42:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:30:08.65 ID:eROB17h/0
『さぁ、審判団を引き連れ一斉に走り出しました、残りタイムはおよそ30分!
我那覇選手、果たして時間内に到着できるのか? 運命のラストランです!』
『前半戦、開始地点から麓へ降りるまで、プロデューサーの車では10分ほどでした。
ですが今回は自分の足で、しかも上り坂ですからね。これはかなり厳しいですよ』
43:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:33:17.12 ID:eROB17h/0
「はぁ――はぁ――!」
体が熱い――でも今、頭の中はすっかり空っぽだ。
もう、後ろを振り返ることはしない。
44:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:36:44.55 ID:eROB17h/0
心臓がバクバクと悲鳴を上げている。
いくら呼吸をしても、全然足りない。
膝と、足首の痛みも――あはは、ちょっと、飛ばしすぎちゃったかな?
靴も元々、合ってないしね。
45:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:39:19.27 ID:eROB17h/0
ヴィー! ヴィー! ――♪
「ん?」
ポケットに入れていた携帯が鳴った。
46:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:41:20.97 ID:eROB17h/0
「――はいさい!」
『響――お元気ですか?』
お元気ですか、って――どういう意味だろう。
47:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:44:44.47 ID:eROB17h/0
しまった――あの手紙。
「み、見ちゃったのか?」
『いいえ――見てはおりません。
48:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:50:23.34 ID:eROB17h/0
「――――気づいた、のか?」
貴音の声は、少し震えているようだった。
自分も、どうかは分からない。
49:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:55:01.26 ID:eROB17h/0
『では、最後に響――これだけはお伝えさせてください』
物々しくて凛々しくて、毅然とした、貴音の最後の声――。
『寂しく思うことはありません――貴女は、一人ではないのです』
50:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 22:59:01.93 ID:eROB17h/0
「じゃあ――切るね」
『はい、響――さよならは言いません』
「あぁ――食べ過ぎには気をつけるんだぞ」
51:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 23:03:23.61 ID:eROB17h/0
「審判さんの皆ー!! 今日は本当、色々とありがとね!」
自分は、今にも倒れそうな審判さん達が元気になれるよう、目一杯手を振った。
「あと、ごめん! そういえば、一個もサーターアンダギー食べてないでしょ?
52:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 23:04:21.57 ID:eROB17h/0
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