過去ログ - 響「ロス:タイム:ライフ」
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5:名無しNIPPER[saga]
2016/02/03(水) 20:07:09.83 ID:eROB17h/0
「水瀬伊織、それは真、良き考えです!」

 貴音が勢いよく立ち上がって、椅子が危うく倒れそうになった。
 雪歩が慌ててそれを受け止める。

「あ、そうか――そうだね!
 私も新しいお菓子に挑戦してみたかったんだぁ」

 春香が自分に、すごく楽しそうな顔をして振り返った。

「今度、響ちゃんちに行っていい?
 あまり無いけど、私も色々なお菓子の作り方、響ちゃんに教えるから! ねっ?」

 他の皆も、春香に作り方を伝授するよう、期待の目を自分に向けているぞ。
 でも――。

「――ふふーん、それはできないさー。
 だって、自分の秘伝だし、そうそう簡単には教えられないぞ!」

 えーっ!? っていう声で埋め尽くされる給湯室。
 亜美達から「ケチンボ!」って言われても、これはしょうがないんさー。

 だって――。

「おーい、響。そろそろ準備いいかー?」

 デスクでお仕事をしていたプロデューサーが、自分のことを呼んだ。
 明日の『とびだせ!どうぶつワールド』の収録で、緊急の打合せがあったんだよね。

 名残惜しそうに見送る皆に手を振って、自分は給湯室からヒョコッと顔を出す。


「もちろんさー! なんたって自分、完璧だからな!」



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