過去ログ - P「まゆの左手首がなんだって?」
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135:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:34:34.50 ID:Lvhk7wW70
「まゆは、今どこにいるんだ?」
「今はまだ、この町に。が、恐らくもう会う事はないでしょう」
136:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:35:43.94 ID:Lvhk7wW70
そう言うと、佐久間は晶葉の机の上に置いてあった封筒を俺に差し出した。
「何だこれは……」
137:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:37:21.00 ID:Lvhk7wW70
「別に、強制ではありませんが……例の記事を書いたライターがどうなったか知ってますか?」
「例の記事……まゆのゴシップの事か?」
138:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:38:43.80 ID:Lvhk7wW70
呆然とする俺に封筒を押し付けると、それではと言って佐久間が部屋から出て行く。
その後を追いかける事すら出来ないでいる俺に、今まで黙っていた晶葉が声を掛けてきた。
139:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:43:35.74 ID:Lvhk7wW70
「あ、あの……私……プロデューサーに謝らなくちゃいけないと思ってて……」
「謝る……? いや、それは俺の方だよ」
140:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:45:25.81 ID:Lvhk7wW70
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17.「傍白」
――こぽこぽとケトルが鳴ってお湯が沸きあがると、使い慣れたマグカップにコーヒーが入れられ、いつものように差し出される。
141:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:47:06.48 ID:Lvhk7wW70
「前に一度、ロボットアイドルの話をしたのを覚えているか?」
「あぁ……だいぶ前にそんな事を言ってたな」
142:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:50:04.80 ID:Lvhk7wW70
「私だって、資金と時間があれば人そっくりの「人形」なら作る事が出来る。
だが、彼女はそんな「人形」の体に、人と変わらぬ心を宿していた」
143:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:52:27.19 ID:Lvhk7wW70
「私も、自分の欲には勝てなかった。こんなにも素晴らしい「作品」を間近で見て、触れたくて……結局相手の要求を呑んだんだ」
「しばらくの間は順調だった。だが、時が経つにつれてまゆの中に変化が現れ始めた。彼女は――恋をしていた」
144:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:55:00.25 ID:Lvhk7wW70
「まゆの左手首には、彼女のデータを出力するための接続口が仕込まれていたんだ。
首や背中でも良かったが、露出の多い衣装を着る可能性や利便性を考慮して、その位置に落ち着いたらしい」
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