過去ログ - P「まゆの左手首がなんだって?」
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140:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:45:25.81 ID:Lvhk7wW70
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17.「傍白」
――こぽこぽとケトルが鳴ってお湯が沸きあがると、使い慣れたマグカップにコーヒーが入れられ、いつものように差し出される。
141:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:47:06.48 ID:Lvhk7wW70
「前に一度、ロボットアイドルの話をしたのを覚えているか?」
「あぁ……だいぶ前にそんな事を言ってたな」
142:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:50:04.80 ID:Lvhk7wW70
「私だって、資金と時間があれば人そっくりの「人形」なら作る事が出来る。
だが、彼女はそんな「人形」の体に、人と変わらぬ心を宿していた」
143:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:52:27.19 ID:Lvhk7wW70
「私も、自分の欲には勝てなかった。こんなにも素晴らしい「作品」を間近で見て、触れたくて……結局相手の要求を呑んだんだ」
「しばらくの間は順調だった。だが、時が経つにつれてまゆの中に変化が現れ始めた。彼女は――恋をしていた」
144:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:55:00.25 ID:Lvhk7wW70
「まゆの左手首には、彼女のデータを出力するための接続口が仕込まれていたんだ。
首や背中でも良かったが、露出の多い衣装を着る可能性や利便性を考慮して、その位置に落ち着いたらしい」
145:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:56:31.96 ID:Lvhk7wW70
話終わった晶葉がもう一度小さく、ごめんなさいと呟いた。
俺は彼女の目をまっすぐに見つめると、一番知りたかった事を質問する。
146:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 19:59:19.31 ID:Lvhk7wW70
「で、でも! 今後まゆが連れて行かれる場所なら分かる!
さっきも言ったが、まゆの左手を修復するためには一度施設へと帰らねばならないはずだから……
147:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 20:00:10.92 ID:Lvhk7wW70
「――ふっ……ふふっ」
自然と、妙な笑いがこぼれる。記憶の中のまゆと、日記の中のまゆ、二人のまゆが、俺の中で一人にまとまる。
148:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 20:01:35.13 ID:Lvhk7wW70
「ど、どうした助手よ……しょ、ショックで混乱してしまったのか……?」
おろおろとした様子で、突然笑い出した俺に声をかける晶葉。大きく息を吸うと、俺はそんな彼女に正面から向き合った。
149:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 20:04:31.81 ID:Lvhk7wW70
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18.「協力者」
翌日、晶葉から詳しい話を聞いた後、俺は久しぶりに仕事場へと出社した。
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