過去ログ - ロック「お前その髪型なんだよォーー!」レヴィ「?」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/08(月) 00:04:26.73 ID:dWRZK1EvO

大事そうに両手で何かを抱き締めていた。それはプラスチックのケースに入ったゲームソフトで、タイトルは「BLACK LAGOON」。

ずきずきする頭で前夜の行状を思い返してみる。


確か3軒目の居酒屋を出てから、ふと出来心でゲームソフト店に入ったのを思い出した。

そこで、このソフトを見つけたのだ。


表紙を見ると、アニメ絵のレヴィがいる。ダッチとベニーもいる。ロックは──いない。プレーヤーだからだろうが、主人公は当然俺だ。

俺は夢でも見てるのかと思って、このソフトを引っつかんでレジに走った。そしてまだ飲み足りない気がしていた俺は、どこかのバーに入った……

そこで妙に浮かれた気分に引きずられるまま、意識を失うまでウイスキーをあおった。イエロー・フラッグでレヴィと一気飲みの勝負でもしてるような錯覚に陥って。

どうやら、あれは夢ではないらしい。

尻ポケットの財布を確認する。無事だった。中身を抜き取られてもいない。


フッ。そうさ。しょせん俺はその程度の雑魚でしかない。


だが、自分を雑魚だと自覚すると不思議に元気が湧いた。
誰の目にも止まらないよりは、雑魚として認知された方が百倍もマシだということを、俺はこの時初めて知った。


そう、俺は元海賊ロックで今は雑魚の岡島緑郎だ。家に帰ってさっそく、無職ニートにふさわしく過去の自分をプレイするとしよう。


ベンチから立ち上がった瞬間、立ちくらみがした。もう日は高く、公園の外は車が盛んに往来し、急ぎ足の通行人が行きかっている。
俺は自分の足元を確かめながら家路についた。



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