過去ログ - ロック「お前その髪型なんだよォーー!」レヴィ「?」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2016/02/11(木) 01:49:51.52 ID:oZS3PHOaO
「はい。はい。そうですか。では、お通ししてください」
それだけだった。受話器が置かれ、乾いた靴音とともに景山が俺の目の前に立つ。
「迎えが来たようだから、我々は失礼する。最後に言っておくが…… いいかね。気を強く持つんだぞ。自分が絶望というものを感じているとしてもだ…… 絶望の深さを測ってるのは自分だけだし、それを絶望という名で呼んでいるにすぎない。周囲の誰に共有できるわけでもない。そんなのは世界中で日々浮いては消える、泡沫(うたかた)と同じだ」
ベッドに縛られて景山資材部長の説諭を聞く俺の脳裏には、「現実」が少しずつ形を現し始めていた。
何だこれは。違う。嫌だ、こんなのは俺じゃない。消えていくロアナプラの青い海。マングローブの林。
俺の口から「言葉」が漏れた。助けてください。
「落ち着きたまえ。君はこれから、またひと踏ん張りしなけりゃならん。ただし必要以上に自分を追い詰めるのは得策ではないぞ。まあ、『人間到るところ青山あり』というからな」
ドアを開けて「ラグーン商会」の面々が退出した。続いてドア口に立った景山が足を止め、首を微かにねじって横顔を向けた。
「言い忘れてたが、『心づくし』を君の口座に振り込んでおいた。ただし200万円ではなく300万円だ」
景山は出て行き、ドアが閉じられた。外の廊下を遠ざかる足音。そして入れ違うように、性急に階段を上がる足音が近づいてくる。
相当な人数であるのはすぐに分かった。その足音がドアの前で止まる。
ドアが勢いよく開かれ、殺気立った男たちが靴音を響かせて踏み入ってきた。
「岡島緑郎さんですね? 本庁捜査二課です。ご同行願います」
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