過去ログ - ロック「お前その髪型なんだよォーー!」レヴィ「?」
1- 20
31:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/11(木) 01:49:51.52 ID:oZS3PHOaO


「はい。はい。そうですか。では、お通ししてください」


それだけだった。受話器が置かれ、乾いた靴音とともに景山が俺の目の前に立つ。


「迎えが来たようだから、我々は失礼する。最後に言っておくが…… いいかね。気を強く持つんだぞ。自分が絶望というものを感じているとしてもだ…… 絶望の深さを測ってるのは自分だけだし、それを絶望という名で呼んでいるにすぎない。周囲の誰に共有できるわけでもない。そんなのは世界中で日々浮いては消える、泡沫(うたかた)と同じだ」


ベッドに縛られて景山資材部長の説諭を聞く俺の脳裏には、「現実」が少しずつ形を現し始めていた。

何だこれは。違う。嫌だ、こんなのは俺じゃない。消えていくロアナプラの青い海。マングローブの林。


俺の口から「言葉」が漏れた。助けてください。


「落ち着きたまえ。君はこれから、またひと踏ん張りしなけりゃならん。ただし必要以上に自分を追い詰めるのは得策ではないぞ。まあ、『人間到るところ青山あり』というからな」


ドアを開けて「ラグーン商会」の面々が退出した。続いてドア口に立った景山が足を止め、首を微かにねじって横顔を向けた。


「言い忘れてたが、『心づくし』を君の口座に振り込んでおいた。ただし200万円ではなく300万円だ」


景山は出て行き、ドアが閉じられた。外の廊下を遠ざかる足音。そして入れ違うように、性急に階段を上がる足音が近づいてくる。

相当な人数であるのはすぐに分かった。その足音がドアの前で止まる。


ドアが勢いよく開かれ、殺気立った男たちが靴音を響かせて踏み入ってきた。


「岡島緑郎さんですね? 本庁捜査二課です。ご同行願います」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
40Res/35.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice