過去ログ - 【安価】ニンジャスレイヤー・ボーンオブ・ソウカイニンジャ【豊満】(Part16)
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831:名無しNIPPER
2016/03/07(月) 06:19:47.98 ID:ZtDl0w4r0
 ターゲットを指定し、そのターゲットを[ピーーー]ことが出来れば1億円。
 そんなゲームが行われる館で、4度目のマーダータイムが終わった。この日、有利に動けるはずの伊集院が天海の部屋に行くも、結局殺しが起きたという発表はなかった。

 柚木は、そんな想定外の結果を出した張本人伊集院と、深夜に自らの個室でスカイプによる通話を行っていた。

「残念だったね、伊集院くん」
『ごめんなさい、命令を果たせなくて……』

 声だけでも伝わる、伊集院のしょんぼり具合。柚木も分かっている、伊集院が間違いなく、天海を[ピーーー]ために動いていたということを。
 ロビーでは、予想していたこととはいえ結果が出なかったために、フォークを持った手が滑っていたが、スカイプ通話ならなんの問題もなかろう。

「ううん、ちゃんとあたしの命令を果たしてくれたよ、ありがと♪」

 柚木は、ノートPCににっこりと輝く笑顔を見せてそう言った。決してビデオ通話ではないのだが。そして、そのまま続けて、

「あ! それでね、明日はもうひとつやって欲しいことがあって……」
『やって欲しいこと?』
「詳しいことは、明日ね。おやすみ♪」

と、伊集院に言うだけ言って、通話を終了させてしまった。

「ふふふ……どうなるかな……明日が楽しみでしょうがないね♪」

 そして、そのままベッドに滑り込み、秒単位しか経たない後に、寝息を立てているのであった。



 翌日。すでにマーダータイムが始まって30分程経過した頃か。
 また個室の扉をわずかに開け、音によって外の様子を伺っているのは神崎。目的は当然、伊集院の動向を探るためだ。果たして今日も、天海を狙うのか、それとも違う行動を起こすのか、と。

「!? 銃声……?」

 そうして、伊集院がロビー側から個室に戻ってきたのであろう足音を聞いた時、それに続いて大きな発砲音を耳にした。
 神崎が聞いていた限り、伊集院以外で個室から外に出た者はいないはず。となれば伊集院が殺しを行うには、<鍵師>で個室の扉を開け、その中で行う必要がある。だが、防音たる個室内から銃声が漏れるはずもないのだ。
 実際、昨日だってどこからも銃声が轟くことはなかった。よって、この音は個室の外からであり、距離からして廊下での音に違いないのだ。

 神崎の、外に出るか、一瞬の迷い。そんな時、

「神崎お兄さん! 廊下の様子を聞いてるの、分かってるんだ! 今日のボクのターゲットはB番なんだよねー……これがどういう意味か、分かるよね!?」

足音、銃声に次いで、伊集院の声が流れ込んできた。

 B番とは、神崎の番号である。神崎も分かっている。伊集院が他プレイヤーの武器を処分してしまった時、同時にプレイヤー番号の書かれたバッチを確認していたことも。よって、伊集院は神崎のプレイヤー番号はBであると確信して発言を行っていた。

 しかし神崎は、“どうやら今日も天海ちゃんを狙うか、あるいは、わざわざこんな脅しをしてきたということは桐生くんを……”と、伊集院の発言に反して冷静に考えていた。
 <鍵師>によって侵入するのであれば、いかに相手の不意をつくかが重要である。相手に構えさせては、何が起こるかわからない。にも関わらず、神崎にそんな宣言をしたということは、別の狙いがあるはずなのだ。

「わー、狙われたらたまらないよ。僕は完全に部屋にこもるから、絶対に来ないでよね」

 神崎はそんな棒読みを伊集院に伝え、個室のドアを完全に締め切った。これで外の音はシャットアウトされるのだが、少し時間が経ってから開ければいいだけ。そんなわずかな扉の動きなど、簡単には分からないからだ。
 実際、神崎は再度扉を開けたが、その後伊集院の声や、再びの銃声など起こらなかった。

「……結局、天海ちゃんの所か……」

 とはいえ、さすがに姿を見せるほど外に出ることはできない。しかし、幸いにも神崎の部屋は、天海の部屋と桐生の部屋との中間に位置している。右から聞こえる音か、左から聞こえる音かで、伊集院の動きを把握することは簡単だった。

 そうしてしばらくした後、再度天海の部屋の扉が開いた音がして、伊集院はそのまま自らの部屋がある方向に入っていくのが分かった。
 それが確認できた後も、神崎はそのまま、念のため聞き耳を立て続けていた。だが結局、その後はマーダータイムが終了するまで、誰の出入りもなかったのであった。


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