過去ログ - 【安価】ニンジャスレイヤー・ボーンオブ・ソウカイニンジャ【豊満】(Part16)
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名無しNIPPER
2016/03/07(月) 06:31:43.34 ID:ZtDl0w4r0
「本日のマーダータイムを終了いたしますー! 座るは伊集院様のみですが……結果発表に参ります!」
5度目のマーダータイムを終え、その時の構図はほぼ昨日と同じ。ロビーには伊集院のみで、他のプレイヤーはエントランス2階部分に集まっていた。
「本日は見事! 殺しを成功させたプレイヤーがいます! ……といっても、それができるプレイヤーは1人しかいませんねえ。しかもなんと! ご本人がその時のお写真をお持ちいただいたので、そちらをこのディスプレイに、ドーーン!」
マスターがそう宣言し、右手でディスプレを差す。
うつ伏せに倒れる天海と、その横に拳銃が落下しているものが映された。拳銃は、天海が抵抗しようとした際に使用したものであろうか。個室の照明は、小さな玉がひとつ点いているだけの状態で薄暗い。その薄暗さもまた、天海が拳銃で撃たれて死んだ、その事実を際立たせているようだった。
「ご覧の通り! 伊集院様が、天海様を見事殺害いたしました! 1億円獲得! ビッグマネーの獲得! おめでとうございまーーす!!」
そうマスターからだけの拍手喝采を浴びる伊集院だったが、賞金獲得によって浮かれている様子はない。下を向いているだけだった。
「おや……今日殺しができた……か」
今日もエントランスの2階で、手すりにもたれながら結果を聞いていた神崎。そうポツリと呟き、昨日の情報と結びつける。
昨日、伊集院は天海殺しを失敗した。ターゲットを指定して殺しを失敗した場合、翌日となる今日、ターゲットの指定権はなくなる。つまり、殺しはできなくなる。それをやってしまえばペナルティとなっているはずで、今日賞金なんて得られない。
では、昨日ターゲットを指定していないのか? それもおかしい。伊集院が確実に天海の部屋に入ったことを、神崎は確認している。もし組むことを持ちかけたのだとしても、話し合いが上手くいったなら今日[
ピーーー
]のは変であり、上手くいかなかったなら、昨日殺さないのはやはり変なのだ。
「うん、決まりだ」
そうして情報の整理により、神崎は確信する。
伊集院は、昨日もターゲット指定をしていた。そして、殺しは行った。つまり、殺し自体は、昨日も成功していたということを。
だからこそ、今日も殺しが行えたのだ。
そして、最も肝心な部分。
今日改めて天海が殺害されたということは、天海の能力は1つしかない、ということになる。
「1番知りたい能力の持ち主が分かった……。戻ろうかな」
神崎が伊集院の姿を一瞥した頃、ロビーでは、
「これで現在の賞金は……桐生様2億円、伊集院様1億円となっております。現在ペナルティとなっている、桐生様、秋山様、汐音様、神崎様、柚木様は、あと1日の辛抱でございます! それでは、本日はこれにて」
と、恒例となった締めを、マスターが行っていたのだった。
◆
その日の夜。昨夜同様、柚木は伊集院とスカイプによる通話を行っていた。もちろん議題は、今日起こったことである。
「伊集院くん、おつかれさま♪」
『ありがと……。それで、明日はどうすればいいの? ううん、それだけじゃない……それ以降もどうすればいいんだよ。明日まではいいよ、まだ皆ペナルティだから。でも、それが終わる明後日、ボクは殺されちゃうよ!』
労いの言葉をかける柚木に、通話だと強気な伊集院。もっとも柚木もそれは分かっていて、むしろ直接会うと伊集院が萎縮するため、スカイプ通話で会議をしているのだ。
「それなんだけどさ、伊集院くんは、そんなにずっと殺し合いをするつもりなの?」
柚木は、焦る伊集院とは対照的に落ち着いた口調。普段の底抜けな明るさも、底抜けの闇を瞳が抱えることもない。
『え、だって……そうしないと自分が殺されるし……』
「伊集院くんは<鍵師>なんだよ? 部屋に閉じこもれば終わりだよ。伊集院くん以外は誰も部屋の扉を開けられないんだから」
柚木の言う通り、他のプレイヤーが、個室にいても殺し合いが勃発することを考慮しないといけない理由は、<鍵師>能力者が存在しているからである。しかしその能力者本人ならば、その恐れはない。
『それはそうだけど……<能力拝借>があるでしょ? あれは他の人の能力を使える能力だよ絶対。だからボクの<鍵師>能力を使われてしまうってことだ。それが誰か分からない以上、部屋の中が絶対安全とは言えないよ!』
しかし、伊集院による即効の論破である。
「そうだね、さすが伊集院くん♪」
が、柚木自身も、その<能力拝借>については考えており、否定も肯定もせず、ノートPCの画面に向かって笑顔を向けるのみ。そして、
「だからこそ、明日[
ピーーー
]べきターゲットなんだけど……A番の秋山さんでよろしく♪」
と続けた。先程よりも、更に輝く笑顔で。
『秋山お姉さん!? <能力拝借>は秋山お姉さんってこと!? その根拠は何!?』
「秋山みなねさん」
またまくしたてる伊集院に、今度は闇に沈む瞳を以って柚木は答える。
『……分かったよ』
ビデオ通話でない以上、伊集院には見えていない。しかし、その冷え切った声で、即座に伊集院は状況を把握できてしまった。
「ふふふ……ありがとね、伊集院くん……」
いつものお返事を聞けてご満悦の柚木は、そのまま通話の終了ボタンを、押すのであった。
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